当店が扱わなかった石の中に「ジェット」がございます。
数年前、ジェットのリクエストを頂戴してからというもの
当店はそれからずっと、本物のジェットを探してきました。
本物?
そうです。ジェットは今や、黒い石炭ならどんなものでも
ジェットとして流通しておりますが
本当のジェットは本来異なるもののはずでした。
ジェットは旧石器時代から活用されており、
世界各地で採れましたが、
主産地はイギリスのヨークシャーにある
ウィットビーという小さな漁村です。
ジェットは大きく言えば木の化石なのですが
海底で偶然に炭化して出来たものです。
倒壊した木が海に流されて、水を含み、砂泥層に埋没して
さらにそこで地圧をうけ、長い年月をかけて炭化した化石なのです。
その出来上がり方はとても特殊で、普通の環境では
できないことが分かっています。
そのため、同じように見えるものでも
内部の組織が違うのです。
様々な場所で同じような木の石炭が採れるのですが
本当のジェットは、木目などの組織がそのまま形になって
固まっているのに対し、今、出回っているジェットは
木目が崩壊したものが圧縮され固まっただけのものです。
これは断面図を見ますとより顕著に分かります。
ビーズは、そういったバラバラになった石炭を
樹脂で固めただけのものです。
おそらく産地は中国あたりのものになるかと思います。
原石については以前にmelody♪さんから買い入れたものがございまして
「これが本物だったら良いなぁ」と、期待を込めたのですが
組織を調べるために研磨をして検査をしたところ
残念ながら、組織が残っていない石炭でした。
しかし、ジェットは今、鑑別ではどちらの石炭でもジェットとして
あがってまいります。
それは業界が決めたことですので、melody♪さんも
そういった意味でジェットとして販売されていたのですが
本来のジェットかと申しますと、そうではないのでした。
本当のジェットは非常に入手が困難です。
特殊な条件のもとで出来上がる石ですから
もともと産地が限られておりますし
ウィットビーのジェットは何十年も前に原石が枯渇しているため
ほとんど出回らないのです。
どうにしかして、その土地で少量買い入れるか
古いアンティークを買うしかありません。
少し前に日本でも少しだけジェットが出回ったことがあるのですが
それはイギリスのものではなく、確か中国産だったように思います。
その後、色々探しましたが本物のジェットは入手が不可能でした。
先に申し上げましたとおり、ジェットは海の中で形成されて
いずれ浮かび上がってきます。
流れてくる光沢のあるジェットを見て
人々は、これを「黒い琥珀」と呼んだのでした。
ジェットは現実に海岸などで採れるのでしょうが
実際ウィットビーには鉱床があり、
人々はそこを掘って採掘していたようです。
ですから、海岸で採れた標本を持っている人は
なかなか居ないのですが、今回当店はその原石を
イギリスの方から直接入手することができました。
鑑別書を取得した際、鑑別師はこのように言いました。
「海から採れるものがあるとは聞いていたが…。
この部分に付着している物質は、海から取れたことを示しているものです。
これは間違いなく、海からあがったもので、
海岸で採れた本物のジェットでしょう。貴重なものです。」
今後の研究のため、いくつか寄贈させていただいたのですが
この寄贈させていただいたものは、本にも掲載されたということです。
今回はその貴重なジェットをご紹介させていただきたいと思っていますm(__)m
ジェットは磨き上げると、信じられないくらい照りが生まれて
つやつやと光ります。
原石からは想像もできない、マニキュアを塗ったような艶感で
このギャップにすっかりハマってしまいました。
鉱物にはそれぞれに個性があって、その魅力を知ってしまうと
どれと選べないものです。
1つ1つが特別で、選ぶ事なんて不可能です。
そして石を知るには、歴史を知る事も1つの楽しみです。
石の組織ばかりではなく、どのようにしてこの石が
人々を惹きつけたのか、これは知っておく必要があるでしょう。
ジェットは旧石器時代から人々に愛用されてきました。
この石はもともとが木ですから、燃やすと派手な黒煙をあげます。
これをみた当時の人々は、この石には魔を避ける力があると考えました。
そうして、この石は魔除けや魔法、幸運のために護符にされ、
ヨーロッパの多くの遺跡から見つかっています。
ローマ時代になると、この石はとてつもなく貴重だとされ、ガガテースとよばれますが
後に英語のジェットという名前になりました。
ジェットを一躍有名にしたのは、18世紀~19世紀のイギリス王室でした。
ジェットの主産地であるウィットビーは小さな村です。
そこでは、もともと、ほそぼそと、修道院に納める
ロザリオやビーズをつくっていました。
それをファッションとして使ったのが王室で、ウィリアム4世のころには
すでにネックレスやブローチを身に付けていました。
1861年にアルバート公を亡くしたヴィクトリア女王は
40年間もジェットを身につけていたと言われています。
このことから、不運にもこの石は
「喪の宝石」として広まってしまうのですが
王室がこの石を使った、そもそもの理由は、
この石がお守りとして扱われてきたことと
そして、何より美しく軽かったからです。
何重にも首に巻けるという点でも、この石は非常に重宝でしたし
彫刻もしやすかったため、きれいなビーズやブローチなどが
数多くつくられたのでした。
奇跡的な条件が整ったことで、偶然に生まれた特殊な木の化石。
それこそが本物のジェットと呼べるものなのだと当店は考えています。
近日ジェット続々紹介予定です★
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