●13年間続いた不眠症が消失した理由 ― “相手を変えない”ことで現実が変わるとき
こんにちは。
援助職専門のカウンセラー、綿貫 憲です。
今回は、私のもとで学ばれた受講生、Hさん(女性)の事例をご紹介します。
■ 13年間、原因不明だった不眠症
Hさんのご主人は、13年以上にわたり重度の不眠症を抱えていました。
- 入眠までに数時間かかる
- むずむず脚症候群
- 周期性四肢運動
- うなり声
- 腰や首の痛み
医療機関でも「原因不明」とされ、改善は見られませんでした。
家庭内も常に緊張があり、
「夫が眠れるかどうか」に日常が左右される状態だったとHさんは言います。
■ 問題は“睡眠”ではなかった
一般的には、
- 睡眠環境を整える
- ストレスを減らす
- 生活習慣を改善する
といったアプローチが考えられます。
しかし、この事例において本質的な問題は、そこではありませんでした。
■ 見えてきた“構造”
セッションを通して明らかになったのは、Hさんの内面にある構造です。
幼少期、Hさんは
「父の不機嫌に常に怯える環境」で育っていました。
そして現在、
- 夫の状態に過敏に反応する
- 機嫌や体調に強く影響を受ける
という状態にありました。
これは、
「他者の状態に自分が支配される構造」
がそのまま持続していたと言えます。
つまり、
「夫の問題」のように見えていたものは、
実際には“過去の体験の再現”でした。
■ 介入したポイント
この事例で行ったのは、非常にシンプルです。
1. 感情の同定
- 怖れ
- 怒り
- 傷心
これらの感情を明確に扱いました。
2. 過去との接続
現在の反応が、幼少期の体験とつながっていることを体感的に理解する。
3. 境界線の確立
ここが最も重要です。
他者の感情や状態は、コントロールできない
この前提に立ち、
- 夫の問題は夫の問題
- 自分の責任ではない
という切り分けを行いました。
■ 変化のプロセス
この内面の変化により、次のことが起きました。
- 夫をコントロールしようとする動きが消える
↓ - Hさん自身の緊張が低下
↓ - 関係性の力学が変化
↓ - ご主人が自立的な行動を取り始める
↓ - 不眠症状が段階的に軽減
そして最終的に、13年以上続いていた不眠症状が消失しました。
■ この事例が示していること
このケースは、症状に直接アプローチしたものではありません。
内部構造の変化が、外部現象を変えた
という事例です。
感情が未処理のまま残っていると、
それは関係性の中で再現され続けます。
そして、その関係性が、
結果として身体症状という形で現れることもあります。
相手に問題があるとみているなら同じ問題が繰り返されます。
本質的な変化は、
外側を操作することではなく、
内側の構造を見直すことから始まります。
Hさんの事例は、そのことを非常に明確に示しています。
最後までお読みいただき、有難うございました。
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