腰痛の評価① ~問診・観察の重要性~ | 一般社団法人セラピストフォーライフ公式ブログ

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腰がいたい、、、

 

病院に行くと腰痛症と一括りにされることがありますが、これは病名ではなく症候を指します。

 

実際は腰のどこに原因があるかによって病名は異なります。

 

しかし、その病態が明らかにされる特異的腰痛の頻度は約15%とされ、残りの85%は画像検査においては何ら異常の無い非特異的腰痛とされています。

 

つまり、8割以上の腰痛は画像上何にも問題がないが腰の痛みが生じているということになります。

 

そしてこの8割以上の腰痛患者の病態は全て同じではなく、多種多様です。

 

一人一人の患者を評価し原因となる病態を鑑別することが出来なければ、改善することはまずあり得ません。ごまかしながら、湿布のお世話になり続けることとなります。

 

それでは、実際にどのように非特異的腰痛に対して評価をすすめていけばいいかについて解説します。

 

ポイントは以下の3点です。

 

①問診・観察

 

②身体所見

 

③圧痛

 

今回は、①問診についてご紹介させて頂きます。

 

 

非特異的腰痛の方の初診の際、必ず情報収集しておかなければいけない問診・観察事項は以下の通りです。

 

①いつから痛い? 

②動くと痛い?動かなくても痛い?

③どこが痛い?

④年齢・性別

⑤レッドフラッグの確認

 

 

①いつから痛い?

急性期なのか、慢性期なのかを判断し経過を確認します。長期間続く腰痛の場合においては、心理的要因も少なからず関わっている可能性もあるので注意を要する。

 

②動くと痛い?動かなくても痛い?

安静時痛の有無を確認します。また、動くと痛いという場合には、どのような姿勢で痛みが出現するかの確認(痛みの再現性)、どのような姿勢で痛みは楽になるか(安楽肢位の有無)を確認することで疼痛の原因局在を絞り込みます。また、進行性の絶え間ない痛み(夜間痛、楽な姿勢がない、動作と無関係)は下記に挙げるレッドフラッグに該当するため注意を要します。

 

③どこが痛い?

→痛みの位置を確認します。患者が痛みの位置を示す際の手の形に注意します。痛みが全体的で手の平で痛みの部位を示すものをPalmar Indicationといい、痛みが明確で、患者さん自身が指で示すことができるものをone point indicationといいます。また、下肢痛の有無についても確認しておく必要があります。腰痛の病態には下肢痛を伴うものと伴わないものが存在するためです。(詳細は後日紹介予定です)加えて、胸部痛を合併する場合、下記に挙げるレッドフラッグに該当するため注意を要します。

 

④年齢・性別

→年齢を情報に組み込むことで原因を絞り込むことが可能です。例えば、20代の方に変形性関節症があるとは考えにくいですよね。また、性別に関しても特有の問題も隠れています。男性でいえば、前立腺癌、女性でいえば婦人科系の問題などです。また、発症年齢が20歳未満か55歳超の場合においては下記に挙げるレッドフラッグに該当するため注意を要します。

 

⑤レッドフラッグ

→必ず以下の項目に関してはカルテや問診を通じて確認し、該当する場合には速やかに医師の診察をすすめなければなりません。

 

■ 発症年齢が20歳未満か55歳超
■ 最近の激しい外傷歴(高所からの転落、交通事故など)
■ 進行性の絶え間ない痛み(夜間痛、楽な姿勢がない、動作と無関係)
■ 胸部痛
■ 悪性腫瘍の病歴
■ 長期間にわたる副腎皮質ホルモン(ステロイド剤)の使用歴
■ 非合法薬物の静脈注射、免疫抑制剤の使用、HIVポジティブ
■ 全般的な体調不良
■ 原因不明の体重減少
■ 腰部の強い屈曲制限の持続
■ 脊椎叩打痛
■ 身体の変形
■ 発熱
■ 膀胱直腸障害とサドル麻痺

 

いかがでしたでしょうか。これらの情報を確認したのちにようやく身体所見の評価へと移ります。

まずは、問診・観察を通じた病態把握とリスク管理を徹底しましょう。身体に触れる評価をするのはそれからです。

 

 

最後までお読み頂きありがとうございました。

 

 

次回は、「身体所見」ついて解説させて頂きます。

 

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代表 齊藤