神護寺は、京都の北西部、嵐山の上手の高雄山にあり、紅葉・青もみじで有名な名刹

 

空海が唐から戻ってから20年間も過ごしたところ

 

真言密教の始まりの地。

 

 

 

東京国立博物館での展覧会での目玉は、神護寺の薬師如来立像(やくしにょらいりゅうぞう)

 

平安初期の最高傑作といわれるが…

 

しかしながら、私個人の率直な印象としては…

 

あまり洗練されていなくて、イマイチ…といったかんじもする〰〰

 

 

 

一般的に、仏像といったら、まず聖徳太子の治世である飛鳥時代から奈良時代まで

 

あるいは、運慶、快慶が活躍した鎌倉初期のあたりの評価が高いもの…

 

平安期の仏像は、全体的に貴族好みのツンとした表情で取っつきにくいかんじがする〜〜

 

 

ところが、その通説に対して、写真家の土門拳は、平安初期の仏像(弘仁仏)を高く評価 !!!

 

その中でも土門は神護寺の薬師如来立像に魅了される

 

『「好きな仏像は」と問われれば、即座に『神護寺薬師如来立像』と答えるのが常である』といっていた。

 

 

 

土門拳は、山形県酒田市の出身

 

私個人も、子供の頃に二年ほど過ごした米どころ

 

酒田は北前船を通して、都の雅な文化も受け継ぐ

 

酒田の海岸には日本海の強い浜風に傾きながらも、松の防風林がしっかりと根差している…

 

 

山形県の出羽三山は修験道のメッカ

 

円行者から始まる修験道と空海の真言密教は融合している…

 

酒田のある庄内地方の真言密教のお寺には、即身仏つまり、生きたまま地中に入り、そのままミイラになったという即身仏が残されている

 

 

日本の中でも特別な宗教文化をもつ酒田㊪㊪㊪

 

そのような風土で育った土門拳が、平安仏、特にこの薬師如来に魅了されるのは、外見の優雅さではなくて、その内面の豊かなエネルギーを感じているからでは…

 

 

密教の教えでは、現世での幸福が強調されるもの

 

空海は加持祈祷のみならず、満濃池の治水工事や庶民のための学校(綜芸種智院)建設で社会に貢献していた〜〜

 

近年は自己啓発系のセミナーなどに行くとよく空海の話がでてくる

 

今の世の中を生き抜くには、空海のスピリットが込められている薬師如来立像のエネルギーが必要ではないのか…