僕は詐欺に引っ掛かり預金を全て失い借金を2千万も抱えている。なぜ平気なのか。心理学の防衛機制の中に置き換えという働きがある。詐欺に引っ掛かったことを自分では絶対認めない。失ったお金は新築の家を建てて1年も経たぬうちに火災で亡失したのだと置き換えている。だから生きる力を保てるのだ。僕はこれまでの人生で借金をした経験がなかった。借金を抱えることがどういうことか知らなかったし債務者のことは他人事で自分には関係ないことだと思っていた。ところが突然借金を抱える身となった。今は恩義ある債権者に返済することを最優先している。初めて破産がどれだけ人に迷惑をかけることか痛感した。しかしそれは僕と債権者だけの問題であり家族には関係の無いことだ。自分の損害の後始末を誰がするのか。それが人生の分かれ目だと思う。自らが違法行為をしたのであれば潔く裁きを受けるべき。逆に誰も傷つけず自らが被害者となった民事的損害の中には、苦しみは自己に留めて生きる方が警察に助けを求めるより救われる場合もある。それが大禍からの復興の道だと信じる。詐欺被害は警察に犯人が捕まっても刑罰は軽く、肝心な損害金はほぼ戻って来ない。寧ろ公になったことで家庭不和を招き却って精神的に追い込まれてしまうこともある。死ぬ前に借金は家族に明かし被害は隠す。家族は本人の死後3ヶ月以内に相続放棄をすれば連帯保証を含む一切の負債は相続しないのだ!