史上名高い安徳天皇は平清盛の娘建礼門院徳子の長男であり、平家出身天皇に見えるが、あくまで母系が平家というだけで、父の高倉天皇は後白河天皇の子であり男系は全く揺らいでいない。何人も国母を出している臣下の藤原家の男子が天皇に即位した例はない。ちなみに関白秀吉は正式には藤原秀吉である。なぜ天皇は男系でなければならないのか。万世一系の皇統がその時点で終わってしまうからだ。世界最古の家柄である皇室。どんな厳しい時代も乗り越え万世一系を貫いてきた歴史の重み。皇室には男女同権という概念はない。男子のみ皇位を継承する宿命にある。臣下の男子皇室復帰論には重要な意義がある。古代に一度皇統の存続が危ぶまれた時がある。25代天皇の武烈天皇が亡くなると、後継者問題が深刻化した。直系の男子皇族がおらず、実に遡ること第15代天皇応神天皇から5代孫の男大迹王が越前から迎えられ継体天皇として即位された。古事記、日本書紀を読むとそうした知識も学ぶことができる。昨年来天皇陛下の譲位問題が真剣に議論されているがそれ以上に深刻なのが皇位継承者不足である。現在の皇室典範によれば4人の男子皇族以外に可能性はない。年齢的に今後新たな皇位継承者が生まれる可能性は悠仁親王以外に有り得ない。もし悠仁親王に男子が生まれなかったらその時が本当の危機となる。仮に皇室典範を改正して女子が天皇に即位することがあったとしても、その女性天皇は独身か、結婚しても生まれてくる子は夫が皇族でない限り天皇にはなれない。万世一系の存続のために必要となるのが万一の皇位継承者枯渇の事態に備えて臣下の男子旧皇族を皇室に復帰させる皇室典範の改正である。