「World Chicken Zombies Tour」と
「WORLD STEREO LYNCH」
高校一年生の時に仲良くなった友達にSという男がいました。
一年生の時一緒のクラスになり、ミスチルとビートルズの話題で意気投合したのです。
彼は色々な音楽が好きでミッシェルのことも好きになりました。
今回チバの訃報を知ったのはSからのLINEでした。
1998年、僕は高校二年生になり学祭にバンドを組んで出演することにしました。
ミッシェルのコピーバンドで!
僕がギター、Sがドラム、ベースとボーカルも友達に声をかけて。
学祭までの毎週土日は友人宅に泊まり込みで、公民館の音楽室を貸し切り練習。(僕の地元には当時「音楽スタジオ」なんてたいそうなものは無かった)
で、そこの公民館、ドラムはあるけどギター・アンプが無い‥。
偶然あったカラオケ用の機械(あれ何て名前なんだろ?)にマイクとギターのケーブルをつっこむという荒技😆
おかげで一つのアンプから声とギターの両方が出力されて割れる割れる😆
それでもなんとか練習をこなし学祭当日。
当日のプレイリストは次の5曲。(確かこんな順番)
1 キャンディ・ハウス
2 バードメン
3 リリィ
4 カーテン(渋い!)
5 CISCO
素人に少し毛が生えたくらいの僕らのバンドには難易度の高い楽曲ばかりでしたが、毎週の練習の甲斐もあってなんとかやりきったのでした。
さて、この頃僕がよく観ていたのがミッシェルのライブ映像です。
一つはその年の春、NHKのBS番組「真夜中の王国」で放送された「World Chicken Zombies Tour」の録画ビデオ。
この映像で僕は初めてミッシェルのライブを「しっかり」観たのですが‥。
これが、すごかった‼️
まずね、曲のテンポが速い速い‼️
ミッシェルの曲ってほとんどが疾走感溢れるかなり速いテンポのものが多いんだけど、ライブではそれに更に輪をかけて速い‼️
もうヒステリックなくらい速くて、友達と観ながら「速すぎる😆」って笑っちゃった。
それから、チバのがなり声‼️
ボーカルの歌‥というよりは、シャウト‼️
客席に向けて殴るように吐き出されるチバの圧倒的な声の音圧。
そしてハイテンションな演奏‼️
アベのギターに関してはもはやCDで聴ける演奏のかけらも残さないくらい、アドリブ全開で畳み掛けてくる‼️
それからそれから。
アベとウエノがジャンプしまくる‼️
二人ともかなりの長身なので、ジャンプするとまー映える映える。
おまけにチバもアベもウエノもめっちゃ動きまくってめっちゃ面白い‼️
チバは「ショイショイショイショイショイ〜‼️」とか訳わからないことを言ってるし、アベは客席に向けてギターを拳銃のようにかざすし、ウエノなんかマイク食べてたからね‼️
最後の曲は「CISCO」だったんだけど、もはや「バカのバカによるバカのための演奏」のごとく会場はめちゃくちゃな盛り上がり方。
他のミュージシャンの「お行儀の良い」ライブに慣れていた僕にはこの映像はとにかく衝撃的すぎました。
友人からビデオを借りて、何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も観まくりました。
映像を観て「この曲はこうやって弾いているのか!」という気づきがかなりありましたね。
二つ目はSが購入した「WORLD STEREO LYNCH」のビデオ。
写真お借りしました。
ミッシェルのイギリスでのライブと日本のライブハウスや日比谷公会堂でのライブを詰め込んだ内容だったのですが。
これも‥すごかった‼️
何がすごいって、ミッシェルが紛れもない「ライブ・バンド」であるっていう裏付けみたいなものがこれでもかってくらい詰め込んであった。
ボーカル、ギター、ベース、ドラムという最小限のバンド編成でここまで迫力ある音が出せるなんて信じられないくらいの演奏が展開されていました。
アベのギター一本しか無いはずなのに(当時チバはギターを持っていたが音は出ていなかった)、まるで薄さを感じさせませんでした。
ビデオのどの曲も純度120%のロックン・ロールで、その曲がたった4人の男たちによって演奏されているなんて信じられませんでした。
それほどまでにミッシェルのライブには魔法がかかっていたのです。
「CDよりもライブの方が良い」というバンドの凄さを知ったのです。
これは余談ですが。
当時秋田の田舎に住んでいた16歳の僕にとってミュージシャンの「ライブ」なんてものは別世界のものでした。
決して大袈裟ではなくて、秋田に有名なバンドがライブしにくることなんてまずほとんど無くて、だからライブを観るには東京とかに行かなきゃならない。
そんなこと当時高校生だった僕にできるはずもなく。
憧れだけが日に日に募っていくのでした。
⑥に続く
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