長年に渡ってギターと付き合ってきた経験から、ついにギターレッスンを始めました。
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というわけで、ギターの上達法…というか、楽しみ方を人生にからめて書いていきたいと思う。
さてさて、今日は。
「引き出し」
について書こう。
ギターを弾くうえでの「引き出し」。
色々な技術とか、フレージングとかを身につけていることを「引き出しが多い」って言うのよ。
その「引き出し」ね。
でさ、よく「引き出しを増やした方がいい」とか「引き出しが多いギタリストになれ」とか言うじゃん?
俺ね、これについてはあんまり賛成できないな。
と言うか、「言葉が足りない表現だな」って思っちゃうね。
俺が長年のギター経験からして、「引き出し」には2種類あることを認識している。
①「なんでも弾けるための引き出し」
と
②「弾きたい曲を弾けるための引き出し」
の2種類。
でね、俺もそうなんだけど、この世の中にすべての音楽ジャンルを弾きこなすことができるギタリストなんてほぼいない。
俺だったら、ジャズのスケール感は無いし、ボサのリズム感もあまり無い。
あと、速弾きもあまりできないし、ブラジル音楽みたいな独特のコード感も無い。
要するに、弾けない。
だけど、自分がウッヒョーッ!とテンションが上がる曲は弾くことはできるのでまったく問題ない。
ギターが死ぬほど楽しい。
先に書いた2種類の「引き出し」とはこのことだ。
ハッキリ言おう。
①は無駄な「引き出し」で、②こそ重要な「引き出し」だ。
①は増やしても意味が無い「引き出し」で、本当に増やすべきは②の「引き出し」だ。
ギターを弾くうえで、不必要な技術を身につけることに時間を使うことは絶対にやっちゃいけない。
そういうことをすればするほど、ギターはつまらなくなっていく。
ギターは「ギター最高!超楽しい!」という気持ちで弾きまくる楽器だ。
過去に俺は①を増やそうとする過ちを犯したことがある。
その瞬間に、ギターを弾くことは義務のようになり、練習のようになり、課題のようになってしまった。
つまらないし、苦痛になってしまう。
だから、それに懲りてそれからは一切そういうことはやっていない。
「引き出しを増やした方がいい」
と提言する人が悪いとは言わない。
ただ、残念ながら発想が古い。
それは学校の勉強で、
「国語、算数、理科、社会、体育などなどをすべてまんべんなく平均的にできるようになるのが良い」
という考えから来る発想であり、役に立たない。
これは
「数を沢山持っていた方が得」
という考え方であり、古い。
だから俺は
「引き出しを増やした方がいい」
と言う人を見ると
「この人はギターの楽しみを分かっているのだろうか?」
と、批判的な気持ちになったりする。
ギターの本質を理解しているのか?と思ったりする。
俺ならこう言う。
「自分が弾きたい曲を弾くための引き出しを増やした方がいい」
と。
盲目的に「引き出しを増やした方がいい」と言っている人・もしくは思っている人は、一度その考え方を疑った方が良い。
本当にそうか?
それをやることは楽しいのか?
そもそも、それは自分が思っていることか?
きっと、いや、絶対に答えはノーだと思うよ。
自分の中で無意識に「そういうものだ」と思っていることの大半は、誰かの価値観だ。
自分で経験したり、考えたりしたことによるものでは無い。
で、ギターを長く弾いてきて分かったんだけど、①の「引き出し」は使う機会がほぼ無い。
自分が弾きたい曲に使う「引き出し」なんてそんなに沢山無いし、もし弾けない曲に出会ったら、その時に身につければまったく問題無い。
先回りして不必要な「引き出し」を増やそうと頑張るなんて‥無駄だ。
ギターは「引き出し」を増やす遊びじゃない。
楽しみまくって弾く遊びだ。
増やすべき「引き出し」。
それは、まんべんなくすべてを弾けるための「引き出し」では無いよ。
自分が弾きたい曲を弾けるための「引き出し」だよ!
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