22年8月15日
思わず急停車をしたのは
渋滞していた交差点を抜けて速度が
つき始めた頃だった。
後ろの車が神経質的にクラクションを
鳴らしながら通り過ぎて
誰かが暴言を吐いたようだったけど
都市の騒音の中でよく聞こえなかった。
右側の路地コーナーに小さな花屋が見えた。
店を見て急停車をしたのではなかった。
むしろ急停車をした後
店を発見したような気分だった。
内部工事中の花屋の片隅で 書類を整理していた店主が近づいてくる時だけでも 大した期待はなかった。
すでに数ヵ所の花屋を周ったけど、フローリスト達さえその花の存在をよく知らなかった。
似たような色の花を見せてくれる。
だけど僕は似たようなものを
探してはなかった。
花だけは本物でなければいけなかった。
「なぜ必ずその花が必要なんですか?」
ハンドルを回して、また道路を進みながら考えた。
その花が必ず必要な理由... 1つしかなかった。
幸せにしてあげたいから。 笑わせたいから。
好きな姿を見たいから。
良い人になりたいから。
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