22年4月25日

誰かに肩を
抱かれ、驚いて顔を上げた。
「お前、最近高いところに
登ってるのか?」
テヒョン兄さんだった。

いつものように一人で下を向いて
歩いていたところだった。
「突然何言ってるんですか」
兄さんは工事現場を指して言った。

「あんなところに登るなよ。
特に夜には絶対に行くんじゃないぞ、わかったな?」僕は何も答えなかった。

兄さんをちらりと見た。
高いところだなんて。
なぜそんなことを聞くんだろう。
誰かから聞いたのか。

誰にも話さなかったが、実は僕は時々高い場所に登ることがあった。
自転車に乗ってヤンジ川沿いを全速力で走ったり、わざと不良たちにケンカをふっかけて殴られたりもした。

再会した兄さんは
皆変わっていた。
まだ制服を着ているのは僕だけだった。
兄さんたちの目には、僕は今もガキにしか見えないだろうと思った。
だから、僕はただ皆の話しを
聞いているだけだった。

「そう言えばお前、どこに行くんだ?」
兄さんが尋ねた。
「ユンギ兄さんの作業室です」

兄さんは以外だというように僕を振り返った。
「お、そうか?ユンギ兄さん怖くないか?
あんまり話さないし、何をするにも面倒くさいって言うし、何も答えずに行っちまうし」

すると兄さんは突然思い出したように俺の肩を掴んで振り返らせ、こう聞いた。

「ところでユンギ兄さん、まだライターをカチカチいわせてるのか?」