22年6月8日
ユンギの日記
Tシャツを脱いだ。
鏡に映る自分はまったく
自分らしくなかった。
Dreamとプリントされた赤いTシャツは、自分の好みとはかけ離れている。
イライラしてタバコを吸おうと思いたち、ライターを探した。
ポケットに入っていなかったので鞄を漁った。そこで思い出した。
自分の手から遠慮なしに奪っていったのだ。 代わりに棒付きの飴とこのTシャツをくれたのだった。
頭をガシガシと掻きながら起き上がると携帯が鳴った。
画面に表示された名前を見て鼓動が高鳴った。
タバコの箱をぐしゃっと曲げたそのとき、鏡にうつった自分は例のTシャツを着て笑っていた。