22年4月20日
ホソクの日記

すると、鋭い警告音がなった。
最初は店の奥で何かが落ちる
うるさい音がする程度だった。
何かが床を転がり、謝り、人々が後退りした。
そんな音が他のコーナーからも聞こえた。

「ピピッ」という
甲高い音が聞こえた。
人々がイラついたように
顔をそちらに向けた。
そうやって始まった警告音があちらこちらから鳴り始めた。
僕の携帯も激しく震えた。
災害緊急メールだった。

その瞬間だった。
離れた人々の中に
ジミンが見えた。
いや、ジミンのように見える学生だった。

「パク・ジミン」
思わず名前を呼んだが聞こえなかったのか、柱の向こうに消えてしまった。

誰かが聞いた。
「ジミンとは連絡つかないのか?」
ジミンと最後に会ったのは、下校途中に
発作を起こして病院に運びこまれた日だった。

その人が後ろを向いた。制服を着た、幼く見える生徒だった。窓の外を見た。
ショーウィンドウに映った自分の姿が見えた。僕は降り注ぐ雨の中に立っていた。
たくさんの人と一緒にいるが、一人でもあった。暗い空気のためか、誰もがおびえたような顔に見えた。