22年6月22日 テヒョン

 わざと歩みを遅くして、俺の後をつけてくる気配に耳を集中させた。 コンビニでぶつかったのは今日で3回目。それまでと違うことと言ったら、今回は俺の姿を見るなり飛び出していったこと。コンビニの近くにある空き地に居たようだが、俺を見てまた姿を隠したのだ。隠れているつもりだろうが、影が空き地の前まで伸びていて、思わず笑った。 気付いていないふりをして歩き出すと、また俺のあとをついてくる。この街で街灯が壊れていない唯一の細い路地裏に入った。歩みを早めて歩き出す。 俺のではない影が現れて、歩みを止めると気配も止まったようだった。背の高さが違う影が、2つ並んでいた。俺は言った。
 「ここに来るまで待つ」
 影の主は驚いた様子で、静かに息を殺していた。
 「全部見えてるぞ」
 俺は影を指さすと、わざと足音を立てながら、その気配は俺に近づいてきて、俺はたまらず笑った。