カランコロン♪


エリアマネージャーは平謝りであった。彼のクレーム処理テクニックは今のところまだ見られなかった。
「おい、ピザと一緒に頼んだサイドメニューが遅れて来るってありえへんぞ!ピザ冷めてもうとるやろ!どうすんねん!」
確かに男の言うことには一理ある。あつあつのピザと一緒に食べようと楽しみにしていたポテトが届かない。待っている間に先に届いたピザは冷めてしまう。これではがっかり。怒りたくなる気持ちも分かる。まぁ怒りすぎだろ、とは思うけれども。
この時、部屋の奥からもう一人、妙齢の女性が出てきた。「なんや、どないしたん」と男を嗜めている。どうやらこの女性は男の母親であるようであった。
母親と妻の制止も聞かず、ひたすら吠え続ける男。この怒り狂う男の妻、母親とは思えないほど女性二人はまともなようで、必死になって男を宥めようとしてくれていた。

「大変申し訳ございません。今回こちらのミスで大変ご迷惑をおかけしましたので、お代は頂きませんので」

エリアマネージャーはそうそうに無料カードを切ったが、それがまた男の逆鱗に触れたようであった。
「お前、タダにしたらええと思ってるやろ!」そう言って玄関から奥の部屋に入っていったと思ったらまたすぐに戻って来た。手には日本刀を携えて。

~⑥へ続く~


カランコロン♪