カランコロン♪
シカゴピザが倒産。驚きのニュースが飛び込んできた。と言うのも僕は以前、シカゴピザでアルバイトとして勤務していたのだ。それも7年も。
大学卒業後、就職もせず晴れてフリーターとなった僕はたまたま再会した高校時代の友人の紹介でシカゴピザでアルバイトを始めた。職種はピザを作る「メイク」と配達をする「デリ」に分かれていて、「デリ」は手当として時給100円上乗せで950円。当時の世間の時給を考えたらむちゃくちゃよかった。しかもピザの宅配ってバイクで出発して店に帰ってくるともう30分経ってたりして本当に楽なバイトだったのだ。
当初はサイゼリヤと二つのバイトの掛け持ちだったが、1年後にはシカゴ一本に絞り、アルバイトをしながら音楽活動をしていた。バイト期間が長くなると必然的にバイトリーダー的なポジションになり、長い間社員不在の店だったので店長代理として店を回したりしてね。
そんなわけで非常に思い入れのあるバイト先であった。なので倒産のニュースには多少驚かされたわけだ。
僕の家は父親があまり洋食が好きでなかったため、ピザと言えば冷凍のおやつみたいなものしか知らなかった。そしてサイゼリヤでバイトをした時に「これがピザか。大したものじゃないな」と思っていた僕の価値観を根底からひっくり返したのがシカゴピザであった。
「え、ピザってこんなに豪華でおやつじゃなくてガッツリ主食になる食べ物だったのか」ってな具合に。
賄い、というか注文ミスが出た時にみんなで廃棄のピザを食べられたんだけど、本当においしかった。そう、シカゴピザは味は抜群にいいのだ。でもドミノやピザーラ、ピザハットに比べてどうしても知名度が落ちる。ピザ頼も、ってなってシカゴ出てこないでしょ?
CM打ってないから仕方ないのかね。昔はCMも出してたらしいんだけどね。
ちなみに日本で初めての宅配ピザ屋は1985年のドミノピザらしいんだけど、シカゴピザは翌1986年に1号店を出店している。ドミノはアメリカ資本の会社なので日本発祥の初宅配ピザ屋はシカゴピザ。
でも今、調べていたら日本発祥の初宅配ピザ屋は1987年のピザーラと出てきた。その記事に「映画に出て来たピザに感銘を受けて宅配ピザ屋を開業。当初はドミノにフランチャイズ出店させてくれ、と頼んだが断られたので自身で創業」と書いてあった。
これはバイトしていた当時、本社の人間に聴いたことがある話なのだが、ピザーラはシカゴピザにもフランチャイズでの出店を依頼してきていたそう。よく分からなかったので断ったらあれよあれよと業績抜かれて行ったとかなんとか。
なんだか色々と惜しい会社である、シカゴピザは。
それとピザと言えばサイズを選ぶのが当たり前だが、S,M,Lに加えてR(レギュラー)というMとLの間のサイズを最初に導入したのもシカゴピザなのである。日本最初期の宅配ピザ!とか業界初のRサイズ!とかもっとバンバンアピールしていきなさいよ、と当時思っていたものである。
~後編へ続く~
カランコロン♪