カランコロン♪


L‘Arc~en~Cielの花葬という楽曲をご存じでしょうか。HONEY、浸食~lose control~と共に三枚同時リリースという邦楽史上に残る形式で1998年7月8日に発売された彼らの11枚目のシングル。




中二病御用達のバンドL‘Arc~en~Ciel、その中でも特に中二心をくすぐる妖艶な楽曲として発売から20年以上の月日を経てなお絶大な支持を誇る名曲中の名曲。
みんなはこの曲といえば、一体なにを思い浮かべるだろう。
死を思わせる不気味ながらも美しい歌詞?シンプルながらも印象的なギターリフ?
縦横無尽に動き回るベースライン?正確に16分で刻まれるドラム

いや、みんなが思い浮かべるのはそう、「なっはぁん」だろう。

いないとは思うが「なっはぁん」って何?と思った人向けに説明すると、この花葬という曲のサビの前にはhydeによる歌詞にないメロディが入る。それが「なっはぁん」。読んで字のごとく「なっはぁん」と言っているのである。
もちろん花葬、サビもすごくいいメロディなのだが、もはやこの「なっはぁん」が一番の聞かせどころと言えるのではなかろうか。なんせhydeの「なっはぁん」は色気がたっぷり。これは絶対L‘Arc~en~Cielにしか表現できない唯一無二の世界観。うっかり一般人がカラオケで歌おうもんなら火傷しちまうぜ。それくらい「なっはぁん」をかっこよく聞かせるのは難しいのである。

ところで長年ラルクのファンを続けさせてもらっている僕なのだが、先日この「なっはぁん」について新たに気付いたことがあった。新たな発見というよりは恥ずかしながら今まで気付いていなかったってだけのことなのだが。
まずはここを聞いてみてほしい。
https://youtu.be/_erGU8VYKuE?t=126

次はこちら。
https://youtu.be/_erGU8VYKuE?t=197

いかがでしょうか。一回目と二回目の「なっはぁん」を聞き比べてもらったわけだが、お分かりいただけただろうか?
そう、実は一回目の「なっはぁん」は「なっはぁん」じゃなくて「あっはぁん」と言っていたのである!
もう一度一回目を見てみよう。
https://youtu.be/_erGU8VYKuE?t=126

やはり「あっはぁん」である。なんということでしょう。今まで僕は三回でてくるサビ前のシャウトはすべて「なっはぁん」だと思い込んでいたのだ。
カラオケでも自信満々にすべて「なっはぁん」と歌っていた。しかしそうではなかったのである。一回目は「あっはぁん」と少し柔らかいトーンで歌っている。二回目は「なっはぁん」と一回目よりも力強い。こういうちょっとした変化で実は曲がまたぐっとよくなるってことなのでしょう。さすがhyde氏である。
ちなみにギターソロが終わり一番の盛り上がりを見せる最後のサビの前、三回目の「なっはぁん」はというとこんな感じ。
https://youtu.be/_erGU8VYKuE?t=249

力強い!もはや「なっはぁん」ではなく「な゛っはぁん‼」って感じだ。
楽器がブレイクしてこれから最後の山場を迎えるぞ!という意思の表れが感じ取れる実に素晴らしい「なっはぁん」である。

こうしてみるとすべての「なっはぁん」に一度も同じ「なっはぁん」はないのである。「なっはぁん」の世界は大変奥深い物なのである。

それではそんな「なっはぁん」に思いを馳せつつ、最後にもう一度「花葬」をフルコーラス聞いてみよう。




紛うことなき名曲である。


カランコロン♪