フィリピンにはたくさんのストリートチルドレン(路上で生活している子どもたち)がいます。
今日は、彼ら・彼女らに出会ったときどう対処するのがいいのか、考えてみます。



【ストリートチルドレンはどこにいるの?】

フィリピンの都市部には、どこにでもストリートチルドレンがいます。
外国人やお金持ちが多そうなエリアも彼らの行動範囲で、お金のありそうな人を狙って物乞いして回ったり、小さな商品を売ったりしています。
中には、物乞いだけでなくスリを働く子たちも・・・。

車に乗っていると・・・
窓ガラスにくっついて、お兄さん、お姉さん・・・お金をくださいとフィリピノ語で話しかけてきます。



町を歩いていると・・・
シャツを引っ張ったり、手を握ったりして、なかなかしつこく付いてきます。
小銭をあげると周りの子どもたちも集まって来て、すごい状況になることもあります。




【なぜこんなことに?】

ストリートチルドレンに出会ったときどんな風に対応するのがいいのか考えるには、彼らの置かれている状況を理解する必要があります。

ストリートチルドレンは3つのカテゴリーに分けることができるそうです。
(参考:http://actionman.jp/tatag.html)

1 路上で寝泊りしている子どもたち:
家族はいるが、家に居場所がない・家にいても食べるものがないなどの理由で、家にはほとんど帰ることがない。

2 日中は路上で働き、夜は家に戻る子どもたち:
家庭が貧しく毎日の食費を稼ぐため、自分の学費を稼ぐために路上に出ている。学校に通い、学校の前後や休日に、路上で働いている子どもたちもたくさんいる。

3 家族が全くいない子どもたち:
育児放棄や家族に見捨てられてしまった子どもたちで帰る家はない。路上に出て、自分と同じような環境にいる仲間と一緒に生活をしている。


これらに加えて知っておかなければならないのが、ギャングの存在。
ストリートチルドレンの中には、ギャングのメンバーだったり、ギャングに「所有」されている子どもたちも多くいると聞きます。
カテゴリ1や3の子どもたちが生きる術を求めてギャングの仲間になったり、強制的に働かされたりしているのでしょう・・・。



【ストリートチルドレンに出会ったらどうすればいいの?】

私が心がけているのはただ一つ。
お金は絶対にあげない、食べ物をあげる。です。

お金をあげない理由は、彼らの稼ぎが必ずしもその子本人に還元されるとは限らないからです。
ギャングや、親にその稼ぎを奪われる可能性が非常に高い。そうなれば、その稼ぎはどう使われるのか・・・?ドラッグを買うために使われる可能性だってあります。

食べ物をあげる理由は、ストリートチルドレンは往々にして栄養が足りていないこと、また食べ物ならばすぐに本人が食べられるので、大人に巻き上げられる可能性が低いことです。



【根本的な解決策は?】

良い質問ですね。自分で書いてるんですけどね。

道でストリートチルドレンに出会ったときの対応はわかった。
でもこれって、なんら問題解決に繋がらないですよね。

私は、親が十分に子どもの面倒を見られない・必要なもの(食事や教育)を提供できないなら、子どもを生むべきではないと思います。


とてもシンプルですが、それがとても難しい。


フィリピンはカトリックの国だからです。
堕胎は法律で禁止されているし、避妊も数年前までは学校で教えてはいけなかったんです。
また、学校で十分な性教育が行われていたとしても、学校に通えなかった大人は知る由もない。


貧しい家庭に生まれ育ち、正しい性の知識を持たずに大人になった人が、望まない妊娠をして、子どもを養える状況ではないにもかかわらず赤ちゃんが生まれる。


こうして、貧困は連鎖し、ストリートチルドレンが増える。


この連鎖を断ち切るには、ストリートチルドレンに就学の機会を提供することが必要と思います。

政府主動でアクションが起きればいいのですが、悔しいことに汚職の多いこの国ではストリートチルドレンの教育にお金は流れません。



そこで!NPO法人など、ボランティア団体の活動がとっても大切になってきます。
募金や活動に参加するなど、あなたにもできることがたくさんあります。

ネットで検索すればたくさんの団体が出てきます。
いくつかリンクを貼っておきますので、ぜひご検討を。


http://www.ican.or.jp/street.html
http://actionman.jp/support.html
http://knk.or.jp/donate/