朝5時30分過ぎ、静かにホテルを後にする。フロントはまだオープンしていなかったので鍵は持ったまま出発。これで最後のドライブだ。このドライブを無事に終えれば、ほぼ無事に日本へ帰れる。LAのハイウェイは朝からジャンジャン車が流れていた。最後まで気が抜けない。そうだ、LAのレンタカーセンターに着いたら、あのやる気の無い陽気な従業員達と写真を撮ろう。みんなで集まって笑顔で写真撮るぐらい、ノリのいいLAっ子なら付き合ってくれるはずだ。などと考えながら、みんなでノリノリで撮った写真を思い浮かべる。そして、最後の神経を振り絞り、レンタカーセンターに到着した。入り口にいると係に案内された方へ車を回すと返却レーンに車がびっしりと並んでいた。2レーンあるうちの1レーンはいっぱいだったので、もう一つのレーンへ行けと、指示されたので、そこへ進むと、そのレーンは空っぽだった。なので、一番前まで行くと横断歩道が有った。

黒人のちゅるちゅるパーマの制服を来た従業員が、ガードレールに座ったまま、止まれと言うので、横断歩道の前で止まった。すると、すぐさま、大きな声で何か言われた

「そこじゃないわよ、前の停止線だって言ってるじゃないのー このタコ」

横断歩道の先に1台止められるスペースがある。そのスペースへ止めると、別の黒人男性従業員が、愛想もなく、何かの端末を持って、大きな声で何か言ってきた。

「エンジンを切れー」

「えッ?」

「だからエンジンを切れって言ってんだろッ」

「キーをダッシュボードに置けー」

はいはい、慌ててキーを手渡すと、

「ダッシュボードに置けってッ」

と言ってダッシュボードにキー(スペアを含む)を投げる

ゴロゴロ。絶妙に転がってダッシュボードの上へ。

「GPSを返せ」

GPSだけ渡すと、

「アタッチメント、充電用ケーブルもだ」

そして、それらを渡すと。

「よーし、これで終わりだ」

レシートをリズムよくジャっと切って。

「さー行け(Here you go!」

…。

ってな感じで逃げるようにレンタカーセンターを後にした。

 

とぼとぼとぼ。

みんなでノリノリで写真??

そんなのはただの妄想に過ぎなかった。

リズムを大事にするLA人のリズムの乗れない返却で、機嫌を損ねたか、かなり、不愛想な感じで、対応された。(いや、あれがたぶん普通だと思うが。)

結局意気消沈して、シャトルバスに乗り込み、空港へ向かった。