映画「リミッツ・オブ・コントロール」を観た。

ザ・グレート・サスケ オフィシャルブログ「THE GREAT SASUKE」by Ameba
©2009 PointBlank Films Inc.


予告編を観てから、

妙に惹かれていたのだ。

緊張感のあるような

無いような

気怠い時の流れが延々と続くあたりは

21世紀版、「パーマネント・バケーション」

といった趣か。

「コーヒー&シガレッツ」で

新境地を切り開いたかに見えた

ジム・ジャームッシュ監督が

もう一度原点回帰したかのような作品だった。

デビット・リンチ監督が

「ロスト・ハイウェイ」を、

クェンティン・タランティーノ監督が

「キル・ビル」シリーズを

公開した時のような

高揚感にも似た感覚を覚えた。

翻訳字幕では伝わり切れなかった点を指摘したい。

ビル・マーレイ扮する「アメリカ人」とは

言わずもがな、大統領の事である。

劇中に何度も登場する黒いヘリコプターは

いわゆる「UFO現象」の一環である

「ブラック・ヘリコプター」なのである。

主人公が目指す最終目的地「アジト」は

シークレット・ガバメントの総本山である。

この3点を把握していないと

この作品の本質は見抜けない。

この作品は

ジャームッシュが

「パーマネント~」以来、

久々に西側先進諸国に叩き付けた

挑戦状であり、決別状なのである。

20年前、

「パーマネント~」テレビ放映の解説で、

俳優の三上博史さんが

「ジム・ジャームッシュという人は

ハリウッドと最も対局に位置する

監督さんですよねぇ」

と語っていた。

全くその通り!

アメリカ人なのに、

ことごとくフランス映画テイストを

撮る監督さんなのである。

そして、主人公の「孤独な男」を

イザック・ド・バンコレが演じているから

ギリギリ、許せるのである。

これが白人俳優だったら、

「金返せ!」モンである。

パンフレットにストーリーが

全く書かれていないのも

ご愛嬌。

あらすじもない物語だから

しょうがない(=⌒▽⌒=)。

85点!

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