548th 『Level5-Judgelight-』 | Ω ~Chaos The world~
Ω ~Chaos The world~-110326_1443~01.jpg




『高校で戦争したらどの部活が最強か』考えてみるの回その4。


今回はヒロインが登場します。

名前の由来は…………わかるよね?





【ルール確認】


・生徒974人vs生徒会+各クラブ部長の26(6+20)人


・制限時間無し(どちらかが全滅するまで)


・戦場はぽよちゃか高校敷地内全域


・教師及び公務員は敷地外で見張り。逃亡しようとする生徒を射殺する


・生徒にはナイフ、ハンドガン、グレネードのいずれかを1つ、『所属クラブに対応した』武器1つの計2点が与えられる。

なお、武器を交換、譲渡、強奪することは認められている。


・各部長にはナイフ、ハンドガン、グレネードの3点すべてと、生徒のものよりも強化されたクラブ別武器が与えられている


【『生徒会側』メンバー】

※○→生存者、×→死亡

・クラブ部長

○野球部
○サッカー部
○バスケットボール部
○アメリカンフットボール部
○テニス部
○バドミントン部
○バレーボール部
○ハンドボール部
○卓球部
○剣道部
○薙刀部
○水泳部
○陸上部
○軽音楽部
○吹奏楽部
○ダンス部
○料理研究会
○理科研究会
○マンガイラスト研究会
○放送部


・生徒会

○生徒会会長
○体育委員会委員長
○文化委員会委員長
○保健委員会委員長
○経理委員会委員長
○書記



★★★★★★★★★★



【芸術棟2階 図書室?】


ドアの先には、小さな部屋があった。

中には机と椅子が二つずつ、それ以外には何もない。

わかる人は、サスペンスに出てくる『取調室』を想像してほしい。そんな感じの部屋。


「さて、なんで俺が龍太郎をここに連れてきたのか教えてあげ一一一」


椅子に座り向きを180度回転させてこちらを向いた神木が

(・Д・)←こんな感じの表情で固まった。





「動くな。さもなくば貴様の頭部と身体が永遠に分かれることになるぞ」



…………俺の首に何かひんやりとした物が当たったなぁ一、と思ったら、後ろから刀を首筋に当てられていました。

声からして女だろうか?

確認したいけど


振り向く→動いたと認識→首バッサリ

……は嫌なのでやめておきます。



「貴様らは生徒会の連中か?」


「ち、ちが……「貴様に聞いてはいない。殺すぞ?」



…………俺が答えようとしたんだけど聞いてくれません。

それどころか刀がくいこんでますwwwヤバいって、切れるってば。


「ちょいと考えてみろよ3年生。

生徒会側はたったの20人ちょいだ、それだけで生徒を何百人も殺さなきゃいけない。

だからよぉ、極力ダメージを減らしてぇじゃねぇか。

おそらくコイツは長期戦、わずかなダメージも後々しんどくなってくるんだからよ。

もし俺たちが生徒会だったら?

生徒を見つけ次第速攻殺してくだろ、お前はとっくの昔に血を噴いて倒れている。

生徒会側の武器は強力で、生徒と正面から殺りあったところで負ける理由がないし、こうしてしゃべっている時間は無駄以外のなんでもない。

違うか?」



「……そうだな」



パチン、という軽い音ともに俺の視界から刀が消えた。どうやら神木の言うことを聞き入れたみたいだ。俺の話は最後まで聞いてくれなかったのに。


「…………あの一、」


俺はおそるおそる、勇気を振り絞って女?に尋ねた。


「動いてもいいですか?」


「構わないが」



人質から解放された俺はとっさに椅子に座ると同時に顔を3年の方に向けた。


身長はぱっと見165cmで肌は色白、とてもスレンダーという言葉が似あう。

髪は長髪で真っ黒、髪型は後ろで一つにまとめる『ポニーテール』ってヤツで、紺のブレザーにスカートに赤いリボンと、きちんと制服を着ていることから真面目な性格であることがわかる。

が、それらよりも存在感を放っているのが、腰にさした『刀』。

鞘は黒色、柄には『滅』という金色の刺繍が施されていた。



「俺は神木仁。2年生でぇす。

先ほど人質になっていたのは坂本龍太郎、俺のダチでぇす」


聞かれもしないうちに神木が殺人未遂犯に自己紹介をした。ついでに俺まで。


「……神木に坂本、か。

私は神林結衣(かんばやしゆい)、剣道部に所属していた」


「…………して『いた』?」


「あぁ、剣道の本格的なシーズンは冬でな、2年が終わるまでには引退してしまうんだ。

野球部みたいに3年の夏まで活動できるクラブが少し羨ましい」


神林さんは腕を組んで壁にもたれる。

その姿はそのまま一枚の絵画になるんじゃないかってくらい美しい。

まぁ中身は殺人未遂犯なんだけど。



「で、クラブ別武器は『剣(ソード)』なんですか、剣道部だけに」


神木が腰の刀を指差しながら尋ねる。


「……そうだ。

わかりやすくていいんじゃないか。

それに私には最も扱いやすい武器だしな」


「そうですよね、わかりやすいと言えば、コイツのサッカーボールとか…………」





ドゴ一一一一一ン!!!!!





会話を遮るように、突然爆音が響いた。

耳をふさぎたくなるほどの大きさ。



音の大きさからして……って、





「なぁ、ひょっとして図書室で戦闘始まったんじゃね?」


「…………どうやらそうみたいだな。

見ろ、先ほどの爆発の衝撃を受けたせいか、この壁全体ににヒビが入っている」


神林さんの言うとおり、壁全体に亀裂が走っていた。

隠し部屋と言っても図書室の隣、衝撃をもろに喰らったに違いない。


「…………まるで戦えって言われてるみたいだな」


神木はナイフを取り出すと席から立ち上がった。

神林さんも神林さんで剣を抜いているし。

二人ともクールなのはいいけど、喧嘩っ早いなぁ……。


「ちょっと待て、ここは逃げよう!

さっき神木は自分で言ったじゃん、ダメージを喰らうと不利になるのはこっちも同じだろ!」


「不意打ちなら倒せるだろ、まさか壊れた壁のむこうから敵さんがこんにちはしたら対応できねぇだろ———」

「強力な武器っつっても、殺傷能力の有るものだけが『武器』じゃないだろ!

例えば、レーダーのような、生徒を探知できるものを持っていたら?生徒会がこの部屋に3人隠れていることを知っていたら?

向こうは何か手を打ってくるに違いねぇ!

とにかく賭け事は危険だ!」


「…………んじゃぁどうやってこっから逃げるんだよ?」


「あるじゃねぇかよ。

ちと痛いかもしれねぇけどな」

「はぁ?お前、逃げるって……まさか」





「爆弾に手足を吹き飛ばされるよりはましだと思うんだけど?」



★★★★★★★★★★


【芸術棟1階 調理室】



「ひ、ひっく、えっぐ、うぅぇ…………」


「テメェはマジで生徒会なのかよ?あ?びびってんじゃねぇよなんだよせっかく見つけたと思ったらなんなんだよこのゴミ以下わよォォォッ!!!!!」



バァン!





一一一あ、撃っちまった。


んまぁこれわこれで面白れぇ、膝から噴水みてぇに血が噴き出てやがるゥ!!!


「テメェみたいなゴミも血は赤けぇんだなぁ!たったそんだけで人間様を気取ってんじゃねぇぞクソアマぁッ!!!!!」


銃を女の額に押しつける。

膝を撃たれたせいで女は逃げることも、立つことさえままならない。


「…………おぃ、テメェの武器をよこせ。そしたら生かしてやるよ」


女は震える手で何かを差し出した。

ガスボンベにライターを取りつけたようなものだ。



…………火炎放射機か?



まぁいい、もらっておいてやろう……しっかし生臭せぇ、ゴミの匂いがするのが気に入らねえ。


やっぱ死刑執行だな……ッ!!!!!



死ねや。



俺は引き金を引いた一一一だが、鉛の球が瀕死の女の額を貫くことはなかった。

銃身が何かに切断されたからだ。



「もういいだろ、決着はついたんだ」


「あ?誰だテメェ?」


「僕の名前は酒原(しゅはら)。

『生徒会書記』って言えばわかるかな、吉良(きら)君?」



背後から声が聞こえた。



「テメェ…………いつからそこにいやがる?」


「さぁ?君が目の前の女に夢中になっているときから、かもしれないね」


俺は調理室に入った直後、内側から施錠をした。

背後からやられないようにするために、だ。

もしかすると、どっか窓が開いてたのかもしれねぇ……確認が甘かったか。


「ざけんなよ……まぁいい、テメェも武器をよこしな」


「僕の武器?あげてもいいけど、君に使いこなせるかのなぁ?」


男は壁にもたれていた棒を手にした。

その棒の長さは男の身長よりも長く、先端に刃が取りつけられている。


「欲しい?でも両手を使わないと扱えないから、銃使い(ガンマン)の君にはむいてないと思うよ?」


「そうか、んならソイツはいらねぇ。

そんの代わりィ……テメェの命をいただくぜェェェッ!!!!!」


俺はナイフを取り出すと、男に突っ込んだ。



一瞬で距離が縮まる。



あと3メートル一一一くらいだろうか、それまで一歩も動かなかった男が、棒の下方を蹴り上げた。

蹴られた棒は縦に回転する、そして、



「ゴフッ」



一一一俺の顎に衝撃を与えた。

宙を浮いた俺の体は、直後、床に叩きつけられた。



「あっ、動かないでね。

今は刃のついてない側だったけど、もし逆だったら?君は死んでたんだよ?」


「…………救ってやった、って言いたいのかテメェ」


身体で『大』の字を作ったまま、目玉だけを男に向ける。

男は窓ガラスを開けて調理室から出て行こうとしていた。


「さぁね?どう思うかは君の勝手だけど、君のような強い人間を殺しちゃうと『会長』に怒られちゃうから。

それに僕は『書記(ナンバーシックス)』、データを採取するのが仕事で、人殺しは趣味じゃない。

ってことで、引き続き頑張ってね、バイバーイ」



男は廊下に出ると自分で開けた窓ガラスを閉め、どこかに姿を消した。





…………気にいらねぇ。



次会ったら時にはこの痛みを1000000倍にして返してやる……ッ!!!



【to be continued……】

.