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★作者よりコメント★
年内に一部(自分の中で入学試験終わりまでをこう呼ぶ)まで終わらせたいな……。
あと正義の口調が固定しないのはなんでだろう?
『突撃ッ!ジャスティス学園』
★scene15★
~準備期間開始ッ!②~
「ワイらが今から行く『特訓場』は、ホンマは新入生は立ち入り禁止区域やねんで」
食事を済ませた俺と勇雅は、二人の上級生、瞬さんと輝奈子さんに『ヒーロー術』というものを教わるために『特訓場』と呼ばれる部屋に連れて行ってもらった。
「でも、アタシ達がいるから、今日は大丈夫だよ!
あなた達はラッキーね!」
輝奈子さんが俺たち新入生二人にむかってピースサインを送る。
「そ~だな。
ゆくゆくはヒーローになる俺達だ、先取りすんのも悪くはねぇな」
「だよね~ッ!!!!!」
輝奈子さん、俺の隣で喜びのあまり飛び跳ねています。
……この二人、意気投合してきてね?
チーン
エレベーターのチャイムが鳴ると同時に、扉が開いた。
「着いたで。行きまひょか」
瞬さんを先頭に、俺と勇雅は新入生未踏の地に足を踏み入れた。
~20階 上級生特訓室~
広さは5階のトレーニングルームと同じくらいだ。
しかし、大掛かりな機械が金網に仕切られて設置されており、大人数が効率よく鍛えられるような作りにはなっていないようで、とても閑散としていた。
「ほな、アンタらは初めはアレや」
瞬さんは、そばにあった金網の扉を開ける。
中にあるのは人型の的、一つ。
それ以外は何もなく、的だけが寂しそうに立っている。
「これ、なんですか?」
「ん?回避の練習や。
戦闘では、ダメージを『与える』よりも『防ぐ』ほうが大事なんや。
動ける間は『攻撃』『逃げる』の二つの選択肢あるけど、動けんくなったらどちらもできんくなるやろ?
まっ、回避はヒーロー術は基本の『き』やね。
今から的からテニスボール飛んでくるから、全部かわしてな」
「怖くないからね!
よぉ~く見てたらかわせるよ!」
輝奈子さんのスマイル……すごくやる気になりますwww
「面白いじゃない。
ハンサムの血が騒ぐってもんよ」
それはつまりいいところを見せたいのですねwwwwww俺はそう受け取りました。
「おぅ、期待してるで。
頑張ってな」
瞬さんと輝奈子さんは部屋を出て行った。
"Get Ready?"
スピーカーから女の声に似た機械音が流れる。
その言葉と同時に勇雅は姿勢を低くし、腰に手を回した。
「正義、今からオメェに最高にクールな俺を見せてやるよ」
"Attack!"
カキーンッ!!!!!
「な、なんだよ、これ…………」
機械から放たれたボールは速すぎて、目で追うことはできなかった。
金属音に似た音が響き、俺の足元に『断面の見える』ボールが転がってくる。
光のごとく放たれたボールを勇雅は切断したらしい……竹刀で。
「正義、そいつを拾ってくれ」
「あ、あぁ……」
ガシャン!
「えっ?」
俺がしゃがんだと同時に、俺にむけて放たれたニ球目が金網に衝突した。
もし勇雅が何も言ってくれなかったら、激突していたに違いねぇ……。
この速さ……気絶は当然、下手すりゃ死ぬかもな。
「もう合図は無しみてぇだぜ。
集中しねぇとやられんぞ?」
「お、おぅ。
……ありがとな」
俺は立ち上がる。
「ハッ、人を助ける……これはハンサム以前にヒーローとして当たり前のことだ、ろ?」
またボールを切断する勇雅。
……あまり感心してる場合じゃねぇな、次は俺…………
右ッ!!!!!
判断すると同時に左へサイドステップ。
直後にボールが右脇腹をかすめる。
「なかなか……やるじゃない」
「よけるくらいハンサムじゃなくてもできるわッ!!!」
「ハッ、それでこそ俺の好敵手(ライバル)ってもんよ!」
時間が経つにつれて、ボールの発射されるテンポが速くなっていく。
流石の勇雅もすべてを斬ることはできないようで、時折さばくようになっていた。
「……正義、プレゼントをやる、ぜ!」
「プレゼント……?」
ゴツッ
「んぎっ!!!!!」
突然横からボールが側頭部を襲ってきましたwww前にのみ集中していた俺はかわすことはできない。
おそらく、竹刀でボールを俺にむかって打ち返したのだろう。
「ちょっ、危ねぇじゃねぇかよォォォ!」
俺は足元に転がってきたボールを投げつける。
「フンッ、ちょろいもんだぜ……」
カーン
「あぁ?」
勇雅の体にボールが命中した。
俺が狙ったのは手首———手元を狂わせることによって竹刀を空振りさせたのだ。
幸い、腰にさしたままだった鞘が体を守ったらしく、ダメージは無しに等しいようだ。
「こんなダッせぇ勇雅は初めて見たぜ?」
「……やってくれるじゃねぇかマサヨシィィィ!!!顔面にボール喰らいてぇかぁぁぁ!!!!!」
あ、怒らせちまったかな?
ボールを『かわす』特訓のはずが、いつの間にか『ぶつける』特訓になっていた。
★★★★★★★★★★
"Success!"
「……えらい楽しんでんなぁ~、あの二人」
「でもすごいじゃない、一度も当たってないのよ?」
上級生二人———石原瞬と妃本輝奈子は、新入生二人———相原正義と神藤勇雅の特訓の様子を外部から見ていた。
「初めてやなぁ……気絶せぇへんかったの」
石原瞬は、毎年この時期になると、新入生を若干名特訓室に連れて、この『かわす』特訓をさせている。
これには二つの目的がある。
一つは実力を『つけさせる』こと、もう一つは、実力を『確認する』ためだ。
もっとも、後者は個人的なものであるが……。
ちなみに、今まで彼が見た新入生は皆ボールが腹や顔面に直撃し、気絶してしまった。
「それはね、仲間がいるからじゃないかな?
互いが互いを超えようとする、これほど効率よく自分を伸ばす方法はないわ」
「せやな。
……まぁ、今の俺らにはできへんことやけど」
一瞬だけ、悲しそうな表情を浮かべる瞬。
「……そうね」
「まぁ、今の俺には輝奈子がおるから大丈夫や!
よろしくな!!!!!」
輝奈子の肩に手を回し、顔を寄せる瞬。
その顔には、先ほどのような悲しみはなかった。
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