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★scene8★
「あなたもここの新入生でしたか」
「はい。
ところで椎名さん、今までどこに行ってたのですか?」
「あれから迷ってしまいました……
ジャスティス学園に行くって教えてくれたら助かったのに~」
椎名さんが頬を膨らます。
やべぇ、ナノイィ~、スゴイィ~、カワイィ~♪
「……すいません」
これは謝らざるを得ないwww
「気にしなくていいですよ。
あ、私のことは桃華って呼んでください。
『しいな』って苗字、名前みたいで嫌なんです」
「はぁ、わかりました」
入学式の食事はバイキング方式になっていて、見たことや食べたことのない豪華な料理が並んでいる。
俺は桃華さんや零奈ちゃんと一緒にご飯を取りにいった。
しかしこのシチュエーション……
まさに桃源郷、両手に花だぜwww周りの視線がちと痛いけど、気にしない気にしないwwwwww
……それにしても、零奈ちゃんといい桃華さんといい、女の子は名前で呼んでもらうほうが嬉しいんだろうか?
俺はそんな些細なことを考えながら、鶏の唐揚げやローストビーフなど、スタミナのつきそうな肉料理を片っ端から取った。
大盛の肉の皿を見た零奈ちゃん、ローストビーフを指差して、二言。
「……食べたい、私も」
「取ればいいじゃん?」
「……届かない」
机の中央に置いてあり、零奈ちゃんの短い腕では届かないみたいですwww
「2枚でいいか?」
「……ありがとう」
ローストビーフを俺の長い腕取って零奈ちゃんの皿に乗せてあげました。
なんか彼女のありがとうは斬新だなぁwww
零奈ちゃん、量は少ないけれどバランスのよい食事のようですwww彩りもよく、見た目に優しいですwwwwww
そんな零奈ちゃんが呟く。
「……桃華、何処?」
あれ、言われてみれば……
姿が見えない。
「先に席に戻ったんじゃね?」
「……そうね」
零奈ちゃんは納得してくれたようで、俺たちは二人で1401号室の机に向かった。
「ま、迷いました……」
桃華さんが1401号室の机に着いたのは、俺たちの10分後だった。
桃華さんは方向音痴なんですねwww可愛いから許せる。
「おいおい大丈夫か?
助ける立場のヒーローが逆に助けられたら、見せる顔が無いってもんだぜ?」
勇雅が言い放った。
何か不機嫌そう……って俺のせいかwwwいいだろwwwwwwこっちには花が二つあるんだぜwwwお前には隣のチャイニーズがお似合いだぜwwwwwwいやホントに。
兵太は女に興味が無いのか、皿に向きあいただひたすら食べている。
「まぁこんなに広いだし、迷わねぇ方が難しいだろ」
「勇雅、喧嘩はガキのすることヨ。下衆の極みネ」
「……おっと、言い過ぎてしまったな。
すまなかったな」
1VS3は分が悪いと判断したのだろう、即座に桃華さんに頭を下げた。
「やめてください!
私、道に迷うことなんか日常茶飯事ですから大丈夫ですよ」
誰が、何が大丈夫なんだよwwwwwwお前だけならともかく、相手も困らせてるんですけどwww前言撤回、それは許しまじ行為ですわwwwwww
「な、なんか険悪なムードになってしまいましたね……。
と、とにかくいただきましょう!
私お腹ペコペコなんです!」
桃華さんが手を合わせる。
俺と零奈ちゃんもそれに続く。
「「「いただきま……」」」
ガチャン
2階の照明全てが突然消えた。
ここは地下、光を失った先にあるものは、完全な闇……。
先ほどまでの賑やかさは無くなって一瞬全体が静まり、続いて悲鳴に似た叫び声が聞こえた。
「おいおい、何者か知らねぇが、騒いだら相手の思うツボじゃねぇのか?」
確かに優雅の言うとおり。
この混乱に乗じて何か仕掛けてくるかもしれない。
……というのは考えすぎだったようです。
ダカダカダカダカチャーン!
ドラムロールとシンバルが鳴り響き、止んだと同時にスポットライトが点灯、一人のメタボ体型のおっさんを照らした。
「レディースエ~ンドジェントルメ~ン!!!!!
と言っても君たちはまだヒーローの卵なんですけどねwww
つまりひよこエ~ンドひよこォォォ!!!!!
ウェルカムトゥジャスティス学園ッ!!!!!
とりま入学オメデトwwwwww
私は国立ジャスティス学園の学園長の『ひ』だ。
本日も絶校長でございます。
園長だけどねwwwwwwwwwwww
君たち1500人の中から、悪を懲らしめ平和を守る正義のヒーローがたくさん誕生することを祈ります。
ってかなってくれないと困りますwww税金泥棒になりますからねwwwwww『脱税してますよね?』って木公平さんに言われちゃうよwww」
ガラガラガシャ~ン
俺の中のヒーローのイメージが
音をたてて崩れ落ちた。
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