17歳の夏


一人の男性と過ごした


とても紳士な仕草の人だった


丁寧な言葉と優しい声で命令をする人だった


でも、時々ナイフで恐怖を植えつけられた



彼は私に

白いワンピースを着せていた

「よく似合うよ」

と言われて嬉しくなった


彼は私の心と身体を支配した

毎日 毎日


彼が身体を支配しようとする時

私は怖くて小さな部屋の隅でうずくまった


彼は綺麗な細工が施されたナイフを見せて

「このナイフを汚したくない」

と言って私の目の前にナイフを持ってきた


声を殺して泣くように言われた



何日か経って

私のワンピースの裾にレースが付いた

細くてとても細かいレースだった


彼を喜ばせることが出来たら

ワンピースにレースが付く


「次は胸元につけようか。」

と言ってとても優しい目で笑ってくれた


彼を知りたい


次第にナイフを見ることはなくなった


泣く事もなくなった



ワンピースの裾と大きく開いた胸元と袖口にレースが付いた


「ドレスみたいだね。姫。」

冗談を言って彼が笑う


私は照れて付けて貰ったばかりの袖口のレースを

指先で触っていた



ある日

「君が知ってるところまで送るから。帰りなさい。」

そして

「ありがとう」

と言われた


名前も歳も住んでるところも知らない人

私の名前も呼んでくれなかった人


声を殺しながら涙を流した

教えられた通りに



着替えて表に出た

目を瞑って車に乗る


大通りの交差点で降ろされた




「ありがとうございました」




17歳の3週間


今の私の底辺


飼育された夏