ここでの俺のことを、みんながどう思っているのか。未来と時也は、俺がこの世界に戻ってきた影響を調べる調査の一環で、みんなの心の声を聞きだしていた。

2人はまず、ここの世界で1番接点がある真人と絵玲奈の声を調べ始めた。

真人は、基本は中学時代とあまり変わっていないが、どこか中学時代とは変わっていると思っていた。

迷っているのかと思ったら、決断して、まぁ、そこまでは同じなんだけど、何より、その時の行動力が、これまで見たことのない粘りを見せている。高校に上がって、部活も運動部に入って、内面に変化があったということなんだろうけど。

何か、後悔したくないっていう思いが、亮介の行動を後押ししているのを強く感じていた。小学校からずっと過ごしてきているが、そうした悔いが残るような過去は特にないはずだから、そこはずっと疑問に思っている。それでも、それ自体は良いことだし、あまり深くは考えないようにしている。

亮介が高校に入って、少し変わったとはいっても、2人の関係に大きな変化をもたらしたわけではないし、これからも、2人で変わらずにやっていければいいと思っている。

絵玲奈は亮介との恋仲には区切りをつけ、信頼できる親友の一人として捉えていた。もちろん、亮介が望めば、そうした関係に戻ることもあるとは思っていたが、自分からはまず動かないだろうと考えていた。

あと、どこか、亮介自身の決断について、ほかの高校生には見られないような、揺るがない決意と覚悟があると思ってもいた。

あの一件の時も、普通の高校生ならば、噂を鵜呑みにして、距離をとっていたのに、

「絵玲奈を信じる」

という、自身の考えを最後まで貫いてくれた。もちろん、絵玲奈にとってそれは救いになったし、それがあったから、無理に意地を張って強がらずにすんだ。

だから、等身大の自分でいられることに、今でも亮介に感謝している。ただ、この年でそうした考え方や行動ができるというのが、絵玲奈にとって、亮介が少し、いや、かなり他の同級生には真似できない、違った考え方のように見えた。

そして、その行動の裏には、まるで、なにか過去に大きな挫折や後悔を経験しているような、そんな印象もあるようにも見えていた。

それは、絵玲奈たちくらいの年齢が経験してきた、例えば、大会でレギュラーには入れなかったというようなものとかじゃなくて、その段階ではまだ経験していない、もっと人生の深い部分に関わってくるようなものが背後にあるような気がしていた。そして、それこそが、今の彼の行動を決定しているように思えた。

亮介との今後をどうしていきたいのか―。

そう尋ねられた絵玲奈は、少し考え込んだ。そして、楽しくやっていけたらいいな、とだけ答えた。

そういうと、また少し沈黙した。そして、先ほどの言葉を少し訂正した。

未練がないわけではない。やはり、高校に入ってから初めて胸の高鳴りを感じた相手だから、あの頃の2人に戻れるものなら戻りたい。事実、亮介が他の女の子と楽しそうに話していると、つい妬いてしまう自分がいる。それで、つい意地悪したり、そういうことじゃないと分かってホッとしたり。ただ、無理につなぎとめようとも思わない。

それでも、亮介の心を掴んでいる相手の人が誰なのか、気にはなるし、羨ましいと思っている。