3時間後、すでに辺りは暗くなってきていた。俺はようやく買ってきたいちご大福と飲み物を片手に、理紗さんのアパートに向かっていた。なぜか知らないが、今日に限ってどこでも売切れていて、結局買って戻ってくるまでに3時間も掛かってしまった。

「よう、待ったか?」

「遅い。」

玄関に現れるなり、明日香はそう言って俺が買ってきたいちご大福を受け取った。すでに家に戻るために荷物はまとめてあった。

「今回は帰ってあげてもいい。でも、もしお兄ちゃんが絵玲奈お姉ちゃん泣かせたら、今度はお願い聞いてあげないからね!」

理沙さんにお礼を言い、眠そうな明日香の手を引きながら、俺たちは家路に着いた。怒られるだろうなと、うつむきながら歩く明日香を、元気付けたり、なだめたりしながらの帰宅であった。

そんな妹を見ながら、俺は昔と未来の記憶を思い出していた。

この時間から10年前のお祭りの夜にも、明日香が駄々をこねて迷子になっていた。その時も説得に苦労したし、俺もそろって迷子になって、結局2人して怒られたな、と。そして、現実時間では、今でも時々、姪っ子たちのことでたびたび真希と長電話していていることも思い出していた。

幾つになっても、妹は妹で、何だかんだで、楽しくやっていけているのは、幸せなことなんだなと感じていた。

同時に、現実時間の子どもたちのことを思い出していた。子どもたちにも、いつかきっとこういう時期が来る。その時に、「お父さんには言われたくない!」と、絶対にどこかで言われるだろうけど、そうならないための努力は、もう少ししないとなと、そんなことを考えていた。