秋が深くなってきて、小森家は一つの問題を抱えていた。中学に上がった妹の明日香が、最近、派手になってきたことであった。

「みんなやっているから。」

そう言い張る明日香に、化粧までは家族全員が黙認していた。そういうお年頃だからだと、俺は全然気にしていなかったが、両親、特に母は神経を尖らせていた。

ある日、明日香が美容院に行ってくると言って出かけていった。いつも行っているところではなく、友達が最近通い始めた、若者向けの人気店であった。

いつものところでは2時間くらいで帰ってくるのだか、今日は少し時間がかかっているように思えた。そして、3時間後に帰ってきた明日香を見るなり、母親の怒号が家中に響き渡ってきた。

「何考えているの、あんたは!そんな髪にしてきて、ピアスの穴まで開けてくるなんて!!」

髪を明るくして、両耳にピアスの穴をあけて帰ってきた明日香に、今まで溜め込んできた苛立ちが爆発してしまったのであった。

「可愛いし、みんなやっているからいいじゃん。」

最初、明日香自身はどこ吹く風であった。しかし、そのことが余計に母の神経を逆なでし、さらに怒りを煽っていた。そうなると、次第に明日香の機嫌も悪くなってきだした。

「うるさいなぁ、別に誰かに迷惑かけているわけじゃないんだし。」

次第な険悪な雰囲気が前面に出てきて、とうとう口論にまで至ってしまった。どちらも気が強いので、お互いに引かなかった。

「お母さんだって、私と同じくらいのときには、パーマとかおしゃれしていたくせに、そんなお母さんにだけは言われたくない!」

口論の末、そう言い放つと、明日香は部屋に閉じこもり、荷物をまとめて家を飛び出してしまった。流石にまずいだろうと、俺は連れ戻そうとしたが、

「しばらくすれば帰ってくるだろうから、放っておきなさい!」

そう母は言い、昼食の片付けに戻っていった。俺も一時的なものであり、まぁすぐに戻ってくるだろうと考え、俺も明日香が帰ってくるのを待つことにした。しかし、いくら経っても明日香が戻ってくる気配はなかった。そろそろ夕方になり、いい加減、探しに行こうかと思っていた時、いとこの理紗さんから1本の電話がかかってきた。