その日は午後から雨が降りだし、体育館も他の部活が使う日であったため、全体で筋トレをした後、解散の運びとなった。
「おーい、小森君。一緒に鳥羽の試合でも見てみようか?この間の米久高との練習試合ならビデオに撮ってあるし。」
順当に行けば準々決勝で鳥羽と当たるため、生野先輩が部室の資料の中から探し出してくれたのであった。どこかスキはないか、俺は一緒にビデオ研究をしてみることにした。
見始めて5分後、俺はビデオを見てしまったことを若干後悔していた。見れば見るほど強さが分かる選手であり、俺に勝ち目なんてあるのかという気持ちにすらなった。
強いて気になったのは、意外にも初戦でも苦戦も見られるところくらいであった。その試合の傾向としては、長時間の試合であることであり、根っからの練習嫌いである鳥羽のスタミナ不足によるものであると思われた。
先輩が途中で切り上げた後も、俺はどうにか他に良い手がないか探していた。
下校時刻も近づき、最後にもう一度だけ見ていくかと思い、もう一度、鳥羽の試合を確認することにした。1ヶ月間の練習期間で、鳥羽から得点を取るためには何が必要かを見出すためであった。
『とにかく拾って勝機を見出す』
スタミナ不足を突いた長期戦に勝機を見出そうと考えたが、どうやってその展開に持っていくのか、俺は見当もつかないでいた。そして、いくら拾ったとしても、ゲームを取るためには、決め手となる攻撃が必要であった。
鳥羽にも当然失点することはあり、ゲームを落とすこともあった。俺はその場面を中心に見ていた。すると、鳥羽のもう1つの意外な弱点が浮かび上がってきた。
それからの1ヶ月、他の出場する選手たちと違い、俺は鳥羽に勝つための準備だけに専念した。そして迎えた試合当日、外は快晴で、体育館の中は非常に暑くなっていた。
早めに会場に到着した俺たちがウォームアップしていると、他校の選手たちも続々と会場入りしていた。米久高の選手たちが会場入りした時、近くで話し声が聞こえてきた。
「サクッと勝負決めてこいよ、鳥羽。」
「たりめーだろ。こんなかったるい試合、さっさと決めてやるよ。」
組み合わせが決まった時の心構えであったならば、まぁ、そうなるだろうなと、最初から勝負を諦めていたであろう。しかし今は、その時と違い、俺は勝つつもりでこの試合に臨んだ。
第一試合が開始する直前、絵玲奈と真人も到着した。
「亮介君、頑張れー!」
「頑張れよ、亮介!」
2人からの応援を背に、鳥羽のサーブで試合が始まった。
第一ゲームは、予想通り、俺はほとんど攻撃に移ることができなかった。とにかく拾い、相手を動かすことに意識を置いていた。スコア自体は3-21であったが、粘って返すという長期戦の試合展開は、俺の狙い通りであった。
第二ゲームが始まり、スコアは1-5まで進んでいた。
他のコートでは第2試合も中盤に差し掛かっている中で俺たちの試合はまだ続いていた。鳥羽のスタミナが大分無くなってきているようであり、疲れの色が見え始めていた。
すると、鳥羽の足が止まりだし、甘い球が返ってきた。
ここで、俺はこの試合で初めて攻撃に転じた。渾身の力で、鳥羽の右脇にスマッシュを打った。
鳥羽は後ろに下がるクリアからのスマッシュ、特に右前スミへのコースへの対応が不得手のようであり、失点の多くがそこからであった。
「おーい、小森君。一緒に鳥羽の試合でも見てみようか?この間の米久高との練習試合ならビデオに撮ってあるし。」
順当に行けば準々決勝で鳥羽と当たるため、生野先輩が部室の資料の中から探し出してくれたのであった。どこかスキはないか、俺は一緒にビデオ研究をしてみることにした。
見始めて5分後、俺はビデオを見てしまったことを若干後悔していた。見れば見るほど強さが分かる選手であり、俺に勝ち目なんてあるのかという気持ちにすらなった。
強いて気になったのは、意外にも初戦でも苦戦も見られるところくらいであった。その試合の傾向としては、長時間の試合であることであり、根っからの練習嫌いである鳥羽のスタミナ不足によるものであると思われた。
先輩が途中で切り上げた後も、俺はどうにか他に良い手がないか探していた。
下校時刻も近づき、最後にもう一度だけ見ていくかと思い、もう一度、鳥羽の試合を確認することにした。1ヶ月間の練習期間で、鳥羽から得点を取るためには何が必要かを見出すためであった。
『とにかく拾って勝機を見出す』
スタミナ不足を突いた長期戦に勝機を見出そうと考えたが、どうやってその展開に持っていくのか、俺は見当もつかないでいた。そして、いくら拾ったとしても、ゲームを取るためには、決め手となる攻撃が必要であった。
鳥羽にも当然失点することはあり、ゲームを落とすこともあった。俺はその場面を中心に見ていた。すると、鳥羽のもう1つの意外な弱点が浮かび上がってきた。
それからの1ヶ月、他の出場する選手たちと違い、俺は鳥羽に勝つための準備だけに専念した。そして迎えた試合当日、外は快晴で、体育館の中は非常に暑くなっていた。
早めに会場に到着した俺たちがウォームアップしていると、他校の選手たちも続々と会場入りしていた。米久高の選手たちが会場入りした時、近くで話し声が聞こえてきた。
「サクッと勝負決めてこいよ、鳥羽。」
「たりめーだろ。こんなかったるい試合、さっさと決めてやるよ。」
組み合わせが決まった時の心構えであったならば、まぁ、そうなるだろうなと、最初から勝負を諦めていたであろう。しかし今は、その時と違い、俺は勝つつもりでこの試合に臨んだ。
第一試合が開始する直前、絵玲奈と真人も到着した。
「亮介君、頑張れー!」
「頑張れよ、亮介!」
2人からの応援を背に、鳥羽のサーブで試合が始まった。
第一ゲームは、予想通り、俺はほとんど攻撃に移ることができなかった。とにかく拾い、相手を動かすことに意識を置いていた。スコア自体は3-21であったが、粘って返すという長期戦の試合展開は、俺の狙い通りであった。
第二ゲームが始まり、スコアは1-5まで進んでいた。
他のコートでは第2試合も中盤に差し掛かっている中で俺たちの試合はまだ続いていた。鳥羽のスタミナが大分無くなってきているようであり、疲れの色が見え始めていた。
すると、鳥羽の足が止まりだし、甘い球が返ってきた。
ここで、俺はこの試合で初めて攻撃に転じた。渾身の力で、鳥羽の右脇にスマッシュを打った。
鳥羽は後ろに下がるクリアからのスマッシュ、特に右前スミへのコースへの対応が不得手のようであり、失点の多くがそこからであった。