やはり首を切られた家政婦R | シャネルを着た悪魔の阿修羅道

シャネルを着た悪魔の阿修羅道

フランス語圏内のとある邸宅で働く個人秘書Aが綴る、よもやま話。

長らく書いていなかったマダム宅の問題児(婆)、家政婦R。

普通に考えたら定年退職の年齢ですが、

マダムの情によりパートで働き続けていました。

 

家政婦Rはアイロンがけや荷物のパッキングの腕は職人並み。

文句なしで綺麗にこなしてくれるのですが、

何せ態度が反抗的で、周りにも文句ばかり言います。

 

本人は面白いと思って言ったことでも、

品が無くて聞いている方は引くパターンなんて良くあることで、

相手をイラつかせてしまうことも多々あり。


何を思ったのか(確か)50代でアパートを購入したため、

毎月返済しなければならない借金があり、

マダムはそれを踏まえて月にいくら必要か、

どのくらいの期間働く必要があるかを計算してくれました。

 

夫婦で返済していくのかと思いきや、

年上のダメ男旦那はすでにリタイア

家政婦Rが一家の大黒柱として働かなければいけなかったのです。

 

返済し終えたであろう期間を過ぎても、

マダム宅では週2日でパートを続け、

それ以外にも2軒から3軒、貧乏暇なしで働いていました。

 

その間、彼女のどうしようもないダメ旦那

まるで下半身で生きているかのようなイタリア人が、

ガンにかかり家政婦Rは看病をしながらも働いていました。

 

私が見ていた分には、看病中は疲れていながらも、

そこに生きがいを感じで頑張っているようでした。

若い時から旦那の女癖の悪さで苦労させられていたのに、

よく甲斐甲斐しく面倒をみられるものだな・・・

と第三者の私は思ったものです。

 

しかし、1年くらいの闘病生活の後

残念ながら旦那が亡くなってしまった後は、

抜け殻のようにボケーっとするようになったのです。

 

本人はそれを否定していましたが、

こちらから見ると完全なる鬱状態。。。

その頃から勤務時間自己中心的に。

 

それまでは遅刻など一切なかったのに、

15分遅れ、30分遅れは当たり前になり、

しまいには1時間遅れてくることもしばしば。

 

しかも

 

「遅れる時はちゃんとメッセージをちょうだい!」

 

と何度も言うのですが、言ってすぐは送ってくるのに、

その次からは送ってこなかったり。。。

こちらから

 

「遅れるの?来られないの?」

 

とメッセージをしても既読すらつかず。

 

そんな日々が続いていたので、マダムの堪忍袋の緒が切れました。

私はマダムがキレていることを家政婦Rに伝えて

 

「自分は大丈夫って思っているかもしれないけれど、

次回連絡も無しに遅れた場合は本当にクビだから。

遅刻も30分以降だったら帰ってもらうし、

遅れるのであればその旨を連絡しないとダメ。」

 

としっかり警告したのです。

その後は何とか連絡ありの15分遅刻などで済んでいました。

 

ところが・・・

私が日本一時帰国中に一度だけ連絡も無しに遅刻!!

もちろん、私がいない間でもだらけないように、

おっかさん上記の条件を伝言していたため、

その日に即刻マダムから首を言い渡されて解雇されたのです。

 

アイロンがけは家政婦Rがいなければ!

くらいに思っていたのに、結局いないならいないなりに、

どうにか回っていくものです。

 

日本に帰国中にそのニュースを聞いた私は、

すぐに家政婦Rに

 

残念なニュースを聞いたよ。元気?」

 

と送ったのに既読スルー。。。

鬱が悪化していたのか、ただの意地悪かわかりませんが

(絶対的に後者)正直家政婦Rがいなくなったことにより、

マダムのイライラが減って私もストレスが減りました。