脱原発仲間が文字おこししてくれました。
読んでいて電力需給ギリギリの状況で運転する原発のリスクの大きさを知り今まで以上に怖くなりました。
20120613_1 第12回大阪府市エネルギー戦略会議
IWJ_OSAKA
http://www.ustream.tv/recorded/23275041
植田特別参与座長)
…参考資料1を提言としてまとめて発表しました。
それに関連しまして、佐藤委員の方から、「電力需要のピーク期間における原子力発電所の運転に関する特別な安全対策」という提案を佐藤委員の方から戴いておりますので、参考資料2に基づきましてちょっとご説明お願いできますか。
(佐藤委員提出資料)
http://www.pref.osaka.jp/attach/15927/00100673/12_sankou2.pdf
「電力需要のピーク期間における原子力発電所の運転に関する特別な安全対策」
本来、電力需要が供給能力に逼迫する環境下で原子力発電所を運転するという発想は、原子力安全の見地からは望ましくはないということが理解されるべきである。
原子力発電所は、仮にそれが何らかの原因によって緊急に予定外停止をしたとしても、それによって喪失した供給量を同一のネットワークに属する他の発電所の余力によって速やかに回復できなければならない。実際、原子力発電所が稼働するのは、通常、複数の非原子力発電所を従えた環境下においてであるべきで、それが停止することによってその瞬間から直ちに必要となる当該原子力発電所にとっての外部電源の確保に支障が生じてはならない。
それは、外部電源の喪失が、原子力発電所にとっての最大のリスクの一つである「全交流電源喪失(SBO)」の直接的トリガーであるからである。周知の通り、「全交流電源喪失」は、福島第一原子力発電所の 3 基の原子炉を未曾有の大事故に導いた原因でもある。今般、このような原子力安全の常識に敢えて逆行する形で再起動が決定されること、そのような際に物申すべき規制機関が黙認することに対しては、強い不信を抱かざるを得ない。
従って当委員会は、そのような環境下における原子力発電所の運転に対しては反対の立場であるが、どうしてもそれがなされる場合には、次の特別な安全対策を実施することを要望する。
1. 2 基(大飯原子力発電所3号機、4号機)同時スクラム停止を想定した場 合の当該原子力発電所における外部電源喪失事象のリスクを評価し、SBOの起こるリスクが十分に小さいことを確認すること。
2. 非常用ディーゼル発電機に対して保安規定で定められているサベイランス試験の要件を臨時に強化し、一層の安全性を期すこと。
3. 特に逼迫している期間中は、非常用ディーゼル発電機をアイドリング運転して待機させること。
4. 今般強化したバックアップ電源の起動操作に関する訓練を強化して実施すること。
5. 期間中の管理体制を強化すること。(土日を含む)
6. 特に台風、竜巻などの気象条件に注意を払うこと。テロ対策の強化を行うこと。
7. 以上の 1~6 の各項に対し、事業者および規制者が、それぞれの立場で適切な対応を取ることを明確に約すること。
佐藤)
では私の方から、参考資料2についてご説明させていただきます。
1ページですけれども、上の方になぜこのピーク期に原子力発電所を運転するのが安全ではないか、というのを説明してありまして、後段でまあそういう時期でも、どうしても運転しなければならないという場合に、どういう追加の安全対策が考えられるか、というところを簡単にまとめてあります。
まず、前段の方のお話も重要ではないかと思いますので解説してみたいと思います。
まず電源供給とその使用側との関係をどういう風にご説明するのが分かりやすいかなと考えながら来たんですけど、たとえば大きなボートがあってそれに10人くらい人が乗っていてそれを一生懸命こいでいると。
そのボートに大きな荷物を引きずっているというのをイメージしていただければと。引きずっている荷物というのは消費者側と電気を使う側と、前の方でみんなでこいでいるのが発電側というふうに考えていただければと思います。
そのこぐ方ですけれども、10人いて10人が精一杯の力で漕いでいるか一人だけ一生懸命力振り絞って漕いでいるのに、残りの9人が少し力を抜いて漕いでいるとそういう状況もありえるわけなんですけど。
そのボートを漕ぐ側のミッションとしては、同じスピードで荷物を運んでいくということ、これが発電側で言えばたとえば100ボルトとか、60ヘルツとかそれを一定にして送電していくということに相当します。
ギリギリの苦しい状況で全員が一生懸命漕いでいると。それはそれでその時はいいんですけど、この一番力を振り絞っている人が急にパタリとですね、それができなくなってしまったと。
そうするとどうなるかと言えば、ボートそのもののスピードが落ちちゃうわけですね。荷物を一定のスピードで引っ張れなくなりますから。それは結局送電の場合でいえば、電圧降下、周波数降下ということになるわけです。
で、その状況というのは送電のネットワークとして許されないわけですので、どうするかと言えば、部分的に荷物を落とすということになります。それが停電です。
それが普通といいますか、漕ぐ方に余裕があって、何人かが力を抜いてやっているということであれば、一人が倒れてもバックアップできるわけですね。それができない、それが逼迫した状況での発電所の運転とたとえることができます。
その場合、原子力発電所の特徴としてあるんですけど、止まってしまった場合にはですね、たちまち電気の使用者側に転じるという特徴があるということです。つまりご存じの様に、残留熱を除去するための運転に電気が必要ということですね。
それで心配を提起しておりますのは、このパタリ、と電気が供給できなくなった時の停電で、原子力発電所自体に残留熱を除去するために必要な電気が供給できなくなるような状況、外部電源喪失という事象ですね。
福島のような事故は地震や津波で起こったと言われているわけですが、発電所からみれば、それは分からなくて、電源喪失なんですね電源喪失によって起こっているわけです。全電源喪失ですね正確に言えば。
原子炉が損傷する頻度のうちの相当高いところを占めているんですね。高いプラントになりますと75%くらいとも言われています。非常につながりが深い。外部電源喪失は全電源喪失のきわめて重要なトリガーと言われています。
4月頃に関西電力さんから、いただいた一連の回答の中にも、大飯の原発の場合、外部電源喪失から全電源喪失に至る確率として、1,2号機で56%3,4号機で60%と回答を戴いています。
つまり外部電源が喪失すると、半分以上の確率で全電源喪失になってしまいます。全電源喪失が起こるとどうなるか、というのは、非常に福島のイメージが重なってくるわけですね。
そういうことで、ギリギリの状況で発電所を運転するということに対して、やはり懸念を提起しないわけにはいかないということで、出させて戴いたということです。
それで、具体的にもいろろい事象はあるわけでして、例えば2003年8月14日という日、北米アメリカとカナダの北の方ですけどものすごい大停電起こったご記憶あるかと思います。アメリカ9機11機の20機がたった2分間の間でバタバタと止まったわけですね。
電源が不安定な状態で、次々に倒れていく、アメリカでも非常に注意をしている事象です。
そういったことで、電気の逼迫しているところで運転する、過去の歴史を見てみても、「電気が足りないから原子力で補う」という発想は歴史上無いんじゃないかと思いますね、初めてではないかと思います。
規制関係にも本来であればもっと慎重にですね政府関係にもアドバイスして欲しかったなと思いました。
逼迫したところでの原子力発電所の運転、リスクのあるものだと、「世界最高水準の安全性を目指す」と言っているがすでにそういうミスマッチが感じられるわけで、どうしてもそういう運転をするのであれば、補完的な安全策を提示する。私なんかが提案するんじゃなくて本来であれば規制庁が出すべきてすが、どこからも出ていないということで、急ぎ何項目かまとめたということです。
まず一番目、大飯3,4号機なんかの原因でトリップ=停止する、理由はなんでもあり得ます。雷で落っこちる、過去にあります、台風で送電線が揺られて地絡するとか、あとプラント内部での事象でも起こりうるわけです。停止した時に、自分の外部電源の供給側に回ってくるようなことがあってはならない。予め回避できるような計画は立てておかなければならないというわけです。それが起こった場合にどのようなリスクがあるのか、これをきちんと評価していただきたいものだと。これが1番目。
2番目、非常用ディーゼル発電機、外部喪失すればディーゼルに頑張ってもらわなければ。もちろんこれも100%の信頼性がある装置ではありませんので、信頼性を確認するために、本来サーベイランス試験、毎日、一週間に一回、半年に一回、非常に細かいルールがあります。ですからひとつの提案としては、中身を厳しいときには強化して、一週間に一回を毎日にして、ランクを上げて、も検討してもらう必要。
3番目。もう全然ギリギリ、苦しい状況というときには、もうディーゼル発電機を、足りなくなってから立ち上げるというんではリスクがあるわけですから、予め発電機を運転状態にしてもらう。実際に2009年8月15日に、ウォーターフォードという発電所で、ハリケーンカトリーナの直撃を受けたことがありまして、落ち着いた電源供給ができないんじゃないか、ということで、ずっとディーゼル発電機を運転していた例もあるんですね。それを参考にして、いざというときに回らないということを防ぐ。3番目も検討に入れて戴きたい。
4番目には、バックアップ電源も相当強化しているということだった。ただ、非常に勘違いある、バックアップ電源は、非常用ディーゼル発電機の代わりにはならないんですね。非常用ディーゼル発電期は2つ大きな使命がありまして、停止したときの冷却に必要、それよりもっと重要な機能は、配管破断した時に、すぐに冷却材を注入する電源、ECCS系の電源として必要なんですね。大飯の具体的な時間は把握していませんが、一般的には、BWRの場合には、5分以内に、水位を回復するくらいで起動しないといけない。5分以内に回るんじゃないですよ。空だきになったのを5分以内に回復させる。それぐらい非常用発電機重要で、大飯の場合も同じような重要性がある。
現場に追加したバックアップ電源には機能はないわけで、そういう事象に対するものではなくて、単なる電源停止に対するバックアップということ。この期間については、一生懸命、迅速に対応出来る、訓練強化を天候が悪い場合も含めて、いっそう。
5番目。土曜だから人がいない、日曜だからどうということにならないよう、管理態勢は万全を。
6番目、気象状況にはとくに注意をしていただいて、外部電源喪失に結びつく状況には。特に注意してもらう、併せてテロ対策も強化してもらう。こういったところが、具体的項目として、事業者側も規制側も、この期間についてはしっかりと緊張感をもって対応して欲しいと。
以上が私の提唱したい安全対策であります。
23分
植田座長)
どうもありがとうございました。大変重要なご指摘いただいていると思う、ご質問とかございましたらお願いしたい。どうぞ。
河合?)
技術的な質問ですが、3,4番、非常用ディーゼルが起動、バックアップ電源とは、それと別のものとご説明。これらは計器やスイッチ類のためのもの?
佐藤)
ものとしては、現場の視察の折、下に法面の下に並べてあった発電機、あれがバックアップ発電というもの。ゆくゆく運転する機器としては一緒ですが、ECCSの方はどうなのかな?、タイミングが違うということを理解いただきたい。配管破断にも対応できるような、のがディーゼル発電機であって、4番の電源にはそれには対応できない。
河合?)
道路のもの。
佐藤)
道路は、交流用の発電機ですね。訓練していたあれは。
河合?)
3はすぐに動かす、4はそれをさらにバックアップする補充するものという意味ですね。
佐藤)
関西電力の意図では、両方だめなときのバックアップです。
質問者2)
基礎的な質問ですが、需給逼迫時には、原発の稼働は一定の危険性を伴うというご指摘だったと思います。理屈としては理解したが、だとすると、毎年ピーク時は来るわけで。今年は異常であって普通のピーク時は原発も動いている。例えば、フランスなどは8割を原発で賄っている国もある、という話と今日の話はどういう関係にあるんでしょう。
佐藤)
これまでは、厳しいといっても、1,2機ダウンで賄えなくなるようなそこまで厳しい状況ではなかったわけですね。フランスの例、フランスは独特な運転、負荷追従、変動に追従出来るようにしているわけですね、ですから、ある原発が倒れても、それを補える原発が同時に運転している。
質問者2)
前者は、通常は余裕があるから、ということですね分かりました。
質問者3)
たぶん趣旨は非常に切迫している時は原発が厳しいということかと。実を言うと、中越沖地震の時には東電さんはもうブラックアウト寸前にいった、本当に厳しい状況にあった。
これはなぜかというと、4分間で700万kWが落ちた、あれが土曜日でなかったら、完全に東京は大停電していた。
ですからトータルに考えていかないと、いかに余裕を持っていくか、それから地震の場合は広域災害、竜巻も話題、ほんとに、逆にいうと、佐藤さんのご意見では、余裕のあるときには原発は佳いけれども、ということになりますか、ちょっと矛盾がありますが。
佐藤)
どちらかといえば、原子炉の安全側から見ればそうお答えするしかない。
河合)
原発というのはベース電力にしか使えない、と言われているんですよね。だから今回はベース電力は他で、最後足りないところは原発で補うと、関電や政府はやっている。わざわさ15%だけ残して積み上げて、最後ダルマ落としのダルマを。でも普通の状態ならそれは下にあるべき。今度は非常に特殊なという自覚が政府にも関電にもないですね。こんなギリギリの状況で原発回したことないからかもしれないですね。
古賀)
今日は実は関電にも出席をお願いしていた。いろんなことについてお話を伺いたい。佐藤さんの提案についても関西電力はどう対応とお聞きしたいと、関西電力は出席を拒否しています、理由はいくつか、大飯の再稼働はまだ決まっていないので何も言えないということを仰っているようですが、大飯を動かしてくれと要っているんですから、不安を持っているのに対して、これだけのことをちゃんとやっています、と説明をする責任がある。
佐藤さんがこういう提案をしていることに対しても、それには答えられない、と仰いましたっけね、そういう回答だったということで、私はこれは非常に関西電力の対応に問題あると思います。
河合)
出席を拒否したことまことに遺憾。大阪府市の利益を代表するものと、議論を。こういう時に出てこないのは非常に不真面目。ハッキリ言うと敵前逃亡だと思う。微妙な状況になると出てこない、ほんとに不誠実な対応だと思います。とくに野田さんが国民の生活を守るために、などと称して再稼働を容認しつつある、という状況の中で、われわれは真剣な討論をしようとしているわけで、私たちは府民や市民の安全を守るための議論をしている時に、これまで都合の良いときは出てきておきながら、こういう場面で出てこない、卑怯な態度だと思います。これ以上重要なテーマなんて世の中にないわけだし、関電にとっても最重要なのに最大のステイクホルダーである私たちと話し合いをしないという態度は卑怯だし許せないと思います。
植田座長)
佐藤委員の提案非常に重要なので、電力逼迫下で原発を動かすことはむしろ新たなリスクが出ると、佐藤委員は一種の補完的対策を提言していますが、その前提として、私はリスク評価を出していたたこくとは必要と考えます。ですから具体的な点を、再稼働直前ですけれども、提言とういか質問をさせていただくということでどうでしょうか。そういう形で。文言については後で、扱わせていただきます。
私も言われて、足りないけれど原発入れる足りると言うマスコミ報道ほとんどそういう報道、むしろ新たなリスクになるという提言。ありがとうございました。
古賀)
事務局の方に関電がなぜ今回出席しなかったかとうことが、連絡来ていると思いますのでそれをコピーして会議終わるまでにプレス含めて配っていただければと思います。宜しいでしょうか。
植田座長)
よろしいですか。それではそれとも関連します。我々の考え方としては、需給ギャップ解消策として、それから仮に再稼働したとして、何か地震や事故止まることも起こりうる、これは国も言っていることなので、需給ギャップ提言を一緒に考えていくと、再稼働まだ決まっていないから、とありましたが、仮に決まっても一緒のテーブルで議論させていただきたいと考えている。
委員)なおのこと、ここで提言をもう一回読み上げてアピールを。
…。
37分当たり
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