今回はアジモンの内部資料を公開したいと思います。
現地へ渡航する場合の衛生管理の注意事項を
メンバーをセミナーに送りこみ作成してもらったものです。
参考にどうぞ。

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感染症の予防
◎感染症予防のために何をするべきか
・実施可能な対策はなにか?
すべての疾患への知識を持って、対応を考えることは医師が同行しないと不可能(しても?)。しかし、感染可能性の高い疾患は通常かなり限定され、またその予防策は共通である(具体的には、食物・水に注意、危険な場所に近づかない、予防接種を打つ、など)。そして、現地でおよび帰国後に、早めに医療機関に受診できる体制をつくることが大切。あとは神仏の加護にゆだねる。

・感染所の具体的予防策
1、 生ものを食べない・飲まない。食事の前に手を洗う。
2、 虫(蚊)に刺されないようにする。:服、虫除け、殺虫剤、蚊帳
3、 動物はすべて感染源と考え、触らない、近寄らない。(先進国でも注意)
4、 必要な予防接種を受ける。
5、 STD(性感染症)の感染リスクになるような行動はしない。(参加者同士も含めて)
6、 重症感染症の感染リスクの高いような所には行かない。
7、 過労にならないよう、余裕をもったスケジュールに。
8、 けが(特に汚染刺傷)をしないように。:服、靴

・ 予防接種について
質問「カンボジアに行く場合、何の予防接種を打つべきでしょうか?」
回答「すべての人に共通する答えは無い」
理由:個々人の医学的予防の必要性は次の要因によるので。
   →個々人の感染リスク、副反応のリスク、個々人のこれらのリスクの受容度、コストの受容度、実施の可能性

◎個別の疾患とその予防(カンボジア滞在に関係するものだけ抜粋)
・旅行者下痢症
【特徴】突然発症することが多い。微熱、嘔吐などが伴うことも。熱があると、「お腹にくる風邪」などと誤診されることも。原因は、細菌混入した食物・水、ストレス、冷房、冷飲物、香辛料など。
【対策】1、基本的注意→感染機会を少なくする:氷に注意、歯磨きなどもきれいな水で
    2、自己治癒→ほとんどの場合これで治る:水分・電解質の補給が重要、中程度以上なら抗菌薬服用、1~2日で改善傾向が無い・重篤感が強い・血便をみたらすぐ医療機関へ
3、抗菌薬による予防→原則不可:すべての病原体には効かない、感染予防努力をしなくなる可能性あり
【結論】原因は様々。食べ物・水に注意していても完全には防ぎきれない。仕方ない。

・破傷風
【特徴】破傷風菌で汚染された土から感染。土で汚染された洗浄しにくく閉鎖的な傷(刺創、挫滅創、重度のやけど)で起こりやすい。重症になると閉口困難、全身痙攣の症状が出て、致死率は高い。診断・検査法がないので病状と外傷歴で診断。
【対策】現在35~40歳以上の人口の約半分が十分な抗体を持っていないので、該当者は予防接種が有効。また、11~12歳頃にジフテリア・破傷風の混合ワクチンを打っており基礎免疫を持つ者も、10年おきの接種が理想。受傷時はまず早急な傷口の洗浄が必要。ブラッシング・異物除去を十分に行ったうえで、医療機関へ。とはいえ、怪我をしないことが一番大切。
【結論】お金と時間があるなら予防接種をお勧めする。あと、ゴミ山行くときは足元注意。
【予防接種法】ジフテリア・破傷風の混合ワクチンを打っている人は、渡航前1回の接種でOK

・狂犬病
【特徴】発症した動物に咬まれると、唾液を通じて高い確率で感染する。日本、オセアニア、英国などの一部の地域を除いて、広く分布。犬以外にも、キツネ・アライグマ・タヌキ・コウモリ・猫などからも感染。発症すると致死率は約100%。ヒトからヒトへは感染しない。世界では10~15分に1人が罹っている。
【対策】事前に予防接種を受けることをお勧めする。発症してからの治療法はないので、感染動物に咬まれた場合は、発症前の潜伏期間中に暴露後免疫治療を行う。この治療は咬まれた直後~1ヶ月後(必要な場合90日後)の間に数回狂犬病のワクチンを接種することで免疫を上げ、ウイルスが脳に達して発症するのを抑えるというもの。ただし、治療の開始が遅れたり、顔面など脳に近い部位を咬まれた場合には、この治療の効果が出る前に発症してしまうことがある。とにかく、動物との接触を避けることが大切。
【結論】動物に近寄るな、触るな。お金と時間のある人は予防接種をどうぞ。
【予防接種法】1ヶ月おきに2回、6~12ヵ月後に追加接種(理想的には渡航1ヶ月前までに)
海外渡航時は「自分の健康は自分で守る」という姿勢が必要=「予防の自己責任」