具体的な論と抽象的な論

 

目標を現実に即応して具体的に設定すると、具体的な考え方は、行動規範になり、それを真似ることによって、パフォーミングなどの行動を上げ、美徳を身につけることになります。

 

抽象的には「謙虚」という美徳、

例えば、

昔、商店街に、お米屋さんの店があったころのお話。

お米屋さんは

「私たちの商売は、千円単位でお客様に買っていただいている。だからお客様より良い服を着たり、ぜいたくなものを持ったりすることはできません」

という姿勢でした。

いわゆる仕事に集中し、衣服などはシンプルにするという現在でいうミニマリズムに通じるものもあります。

もちろん

一粒のお米が落ちてもきちんと拾い、一粒のお米を決して粗末にはしませんでした。

「塵もつもれば、山となる」

「食べ物を大切にする」という基本を押さえているからですね。

行動規範は、すべて考え方にあります。

 

現在日本がかかえるゴミ問題、食品廃棄率の問題、物を粗末にしないこと、これらはひとりひとりの意識が必要で、行動習慣や、それを支える社会システムが必要となります。

 

昭和の時代、経済が消費型、廃棄型のモデルによって資本主義を支えましたが、その後に、過剰な物にあふれた汚部屋、ごみ屋敷が社会問題になりました。全体を見ずに「売ればよい、儲かればよい」という一辺倒の結果です。

 

今社会が取り組んでいるのが、リサイクル型、長く使えるモデルと持続可能な社会を体現することです。日本が日本らしく伝統的な思想を継続することが大切になります。習慣を美しくすること、豊かな社会の実現は、人間らしい精神に支えられた行動に支えられます。