明治時代から戦前にかけて、高等女学校などで看取りの教育が実施されていました。
当時の教科書には、
「先(ま)ず臥褥(がじょく)を整理し、見苦しい有様(ありさま)の無いようにして、静かに (家政講話)」
「親愛をつくし、安然の終命を遂しむる (派出看護婦心得)」
ベッドの作り方、病室のあり方、部屋の明るさから室温までとても細かく書いてあります。
そして、看護するものがではなくて、死にゆく人にとって快適な環境を保つようにまわりを整えて、穏やかな死を迎えていただくことを強調しています。
現在の病院の死はどうでしょうか?
点滴や酸素、バルーンカテーテルなどたくさんの管に繋がれて、行きたくてもトイレに行けなかったり、たくさんの我慢を強いられたり・・・・・
医療の進歩とともに、救われる命が増えました。
治そう治そう、命(時間)を大切に!という思いが強く、死は医療者にとって敗北のように感じられているようにも思います。
でも、人は死ぬ生きものです。
時間だけでなく質にもこだわりたい。
今だからこそ、もう一度昔の看取りの方法、死にゆく人に対する思いを学び直して、今後の看取りを考えていきたいと思っています。