小さな寝息をたてているベル
私はあなたに救われているよ_



骨壷に入ってしまったシルク



ここ数日の出来事を
私も、シルク自身も予想していなかったとおもう

亡くなった日はさわやかに晴れ渡った散歩日和の気持ちいい日だった
いつものようにシルクとベルを連れ朝の散歩にでた
マンションの駐車場を出た辺りがシルクのトイレポイント
用を足すと近所を一回りする15分程度のショートコースがシルクの散歩
ここで一旦家に戻りベルとはもう一度散歩に行く
今年の夏場あたりからシルベルの散歩は別メニューだったのだ
ところがあの日は用を足しても家の方に戻らず
もう少し歩くっと言うように
めずらしく私を引っ張って歩き出した
「今日は気持ちいいからもう少し歩く?」
久々にシルB(母)とよく行っていた土木公園まで歩いた
よく歩いたせいかウンチも2回して
「やっぱり運動すると調子(おなか)いいね♪涼しくなってきたしこれからは少し歩こうか?」
と話しかけながら公園で休憩をとって
ゆっくり1時間ほどの散歩を楽しんだ
帰ってたっぷり水を飲みビスケットとチーズを食べると
まったりお昼ねタイム
私はチャリティーの連絡事項をまとめる為PCに向かっていた
足元にシルク
ソファーでベルがすやすや寝息を立てていた
午後4:30そろそろ午後のトイレタイムと言う時
シルクはムクっと立ち上がり さっき食べたビスケットとチーズを少しだけ吐いた
時間が経っているのでほぼ溶けていたけれど
「ん?ペコゲロ・・・」おなか空いたかな・・・
「その前におしっこして来よう!」と言って玄関に連れて行った
シルクはまだ少し気持ち悪いのか階段を下りようとしない
でも、時間的に行くタイミングだし
行きたくないって言ってもいざ連れて行くとけっこう沢山したりもするので
わたしは抱っこして下まで下りてみた
マンションの砂利敷きの自転車置き場の辺りがシルクのトイレポイント
でも 周りをクンクン嗅ぐだけで 直ぐに自分で階段を上って家に戻って行った
家に戻ると口の中が気持ち悪いだろうから吸い口で水をあげてみた
シルクはいらないっと首を振った
「じゃ、チーズ食べる?」
ヨーグルトを水切りしたクリームチーズが冷蔵庫に入っている
シルクの好きなおやつだ
スプーンですくって口に持っていっても
シルクはいらないっと首を振った
今吐いたばかりだから気持ち悪いのかな・・・
私はあまり気にしなかった
ペコゲロもオシッコもしたくないとか気分次第でいらないってよくある事だったから・・・
もう少し様子をみよう
夕飯までには治るだろうと・・・
それから一時間経った午後6時過ぎ
シルクはトコトコ玄関の方に歩いて行った
今度こそトイレかな・・
「おしっこ行くの?」
玄関を開けるなり
いきなり大量の吐血!!
どうしたの?!シルク
慌てていきつけの近所の病院とタクシーを手配
Pにメール
直ぐに迎えに来たタクシーの座席に敷物を敷きドライバーに事情を言って
急いで部屋に戻ると
シルクはベッドの上で立ったままゲホゲホと口と鼻から血を流している
「シルク病院行くから!!」と抱っこして玄関まで運んだだ瞬間
もう一度さっきよりは少ない程ではあったがまた吐血
シルクは急にグニャリと私に身体を預けたと思ったら
そのまま息を止めてしまった 午後6:40位だった
気絶してしまったシルクをとにかく蘇生しようと口から息を思いっきり吹き込み
身体をさすり続けたけれど・・・目線は定まらず気絶したまま
玄関から下のドライバーさんに助けてっと叫び
急いで病院に向かった 午後7時到着
家を出る時あった心音はもう聞こえなかった
Pが連絡してご隠居夫妻が駆けつけてくれた
泣き崩れる徹ママを呆然と見つめながら
私は立ち尽くすだけだった・・・