ウルトラマンティガ、ダイナ、ガイアを書き終えた俺は、それからも趣味でウルトラマンの私小説をネット上に投稿し続けた。


 しかし、その頃の詳細はあまり覚えてない。

他に幾つもネット投稿小説を書いたりしてたので常に新しい小説の事ばかり考えていた気がする。


そんな折り、TVで平成ウルトラマンを見た。ウルトラマンティガの映画だったと思う。イルカのヤツ。

が、そこはいまいち記憶がハッキリしない。


ともかく俺は、その時に映画の元となった私小説を自分が書いた事も忘れていて、「そういや俺、色々書いたけどウルトラマンのは書いてないな」と眠い目をこすりながら思った。


そこでウルトラマンの私小説を書くことにした。だが、いきなりウルトラマンを書くのもどうかと思ったので近いものから書くことにした。

━━もちろんその時既に、山ほどウルトラマン小説を書いていた訳だが。(笑)━━


ウルトラマンに近く、比較的マイナーで、そんな巨大ヒーローなんかないかな~と思った時に。

思い出したのが、平成初の円谷ヒーロー「電光超人グリッドマン」だった。


その頃、グリッドマンはあまり同人とかでも取り上げられなかった題材だし、ハードルの高さ的にちょうどよかったってぇのもある。

 

グリッドマンといえば、


それまでのウルトラマンが映画フィルムの渋い映像だったのに対し、ホームビデオで撮ったかのような生々しい映像。


最初ウルトラマンと比較し、登場人物があまりかっこよくないな(演出含め)と思って見ていたけど、何やかんやはまったもんだ。

毎週末これを見るためだけに早く帰宅してたのもいい思い出だ。


 そのタイトルを考えるにあたり、「電光超人グリッドマン」の頭の枕詞の「電光超人」を変えようと思った。

より同人っぽくしたかったのだ。


そしてグリッドマンとは何者か?と考えた時に、グリッドマンは「ハイパーエージェント」であるという事を思い出した。


ハイパーエージェントをローマ字の略式で言ったらカッコいんじゃ?と思った俺は、同時に「ハイパーレア」って言葉を思い出した。

たぶん遊戯王カードゲームかなんかの影響だったと思う。


 そして、慢性気味の徹夜で眠い頭で、ハイパーレアの略字は「SSR」だっけ?と思った。


すぐに「HR」である事は思い出したのだが、最初に思い付いた「SSR」が頭から離れなかった。

続けて、「SSR」の上を行くのが「SSSR」だったなと思考する。


そしてなぜか、「ハイパーエージェント」の略字は「SSS」だったような気がしてきた。

よし!Sが3つでハイパーなら、4つ付けばその上だな。

と、とち狂った俺は、タイトルを「SSSSグリッドマン」にした。

これをネット上の無銘掲示板に書き終えてからSSSはハイパーエージェントの略じゃないと気付いた訳だが(笑)


そこはてきとーに書いて、てきとーに終える二次創作の駄文だから、勢い重視でいいやと無視。

なんならSSSSの意味は後から考えてもいーし。

━━未だ、謎のままだが(笑)━━


 最初は駄文にしようとしたものの、俺の悪い癖で、文章と文章の合間の伏線を見つけ出し、綺麗に回収したくなる癖があるので、夢中になって書いた。

その頃の俺は基本的に下書き無し!掲示板に思うがまま書き殴った。


もちろん、その頃の生活習慣は最悪だったのでろくに寝ておらず頭は眠いまま。

いったん寝ても夜中に目が冴えて起きてきて書いてはうとうと。書いてはうとうと。


1話書いて休憩挟んでもう1話、二時間に1話のペースで2日ぐらいで書ききった覚えがある。

 こうして書き終えた「SSSSグリッドマン」だが、後にマイナー月刊コミック誌に掲載される漫画となり、アニメ化もされるようになるとはこの時は思ってもみなかった。


……あ、そのマイナー月刊誌に掲載されてた他の作品も、殆んど俺がネットに書いたのを知らんうちに漫画にされたものだったんだけどね。




ウルトラマンティガ全話+劇場版を書ききった俺は、続けてウルトラマンダイナを書き始めた。


ティガは一応初代ウルトラマンの二次創作的な括りだったのでダイナはウルトラセブンに相当する括りだった。

これもご丁寧に劇場版まで書いた。


それも書き終えると俺はいつの間にかTV化されていたウルトラマンティガの放送を横目にウルトラマンガイアを書き始めた。

並行して他のインターネット投稿小説を日替わりで書きながらだ。

そしてガイアの劇場版を書き終えると、俺の書いたウルトラマンはここでいったん打ち止めとなった。

だが俺のインターネット投稿小説は終わらない。俺の書くオリジナルウルトラマン小説は

このあとも続く。



前回は、俺がウルトラマンパワードとウルトラマンGを書いた事を書いたと思う。

勘違いしてほしくないのだが、二次創作って意味ではない。

円谷プロより前に、全放送話ぶん俺が書いた。

インターネット連載小説だ


そして、俺の書いたウルトラマンはそれだけではない。

ウルトラマンパワードを書いた俺は並行して他にもネット連載小説を書いていたわけだが、それでも他にもウルトラマンを書かずにはいられなかった。

そこで新たなるウルトラマンの構想を考えた。

まず考えたのは新たなるウルトラマンのタイトルだ。

それまでのウルトラマンを振り返ってみたところウルトラマンのあとにウルトラマンの名前が付くのが多かった。

そしてその名前はたいていイニシャルで表されている。表されてないと思いがちのレオとタロウですらタイトル画面みるとウルトラマンLとかウルトラマンTと表示されてる。

だからタイトル画面のウルトラマンのあとに名前のイニシャル表示、これは外せない。


……前回も似た事を書いた気がする(笑)。


どんなイニシャルを付けるのかって話だが、これは既存作品と被らないのが望ましい。


とりあえず、この件は宿題としといて。


次に考えたのは新たなるウルトラマンのモチーフだ。これさえ決まればタイトルもあっさり決まる。


代々のヒーローには、基本的にモチーフがあるのは説明せずとも解ることだと思う。


有名処から言わせて貰うと、


仮面ライダー1号2号はバッタ。


イナズマンは蝶。


″月″の使者 月光仮面。


原子爆弾の鉄腕アトム。


西洋鎧の鉄人28号。マジンガーZ。


悪魔のデビルマン。


ヒーローのモチーフとは、そのような元ネタとなるモデルのことだ。


これをウルトラマンに絞ってみよう。


初代ウルトラマンはグレイ型宇宙人がモチーフ。これは有名。


帰ってきたウルトラマンのウルトラマンジャックは……すまない、忘れた。


ウルトラセブンは7の字。そこからイメージした甲冑がモチーフ(だったと思う)。


ウルトラマンエースはセブンと同じパターンでAの字がモチーフ。


ウルトラマンタロウのモチーフはギリシャ神話のタロス。つまり、牛がモチーフ。


ウルトラマンレオはその名の通り、ライオンこと獅子がモチーフ。


ウルトラマン80は1980年の記念ヒーローなので 80という数字がモチーフ(と聞いたような気がする)。


俺の書いたパワードに連なる新たなるウルトラマンを書くに至って、何を主軸ヒーローのモチーフにするか小一時間考えた。

そこで俺が考えたのは動物モチーフだ。牛=タロウ、獅子=レオに続く新たなるウルトラマンに相応しく、その上、今までに使われていなかった新たなるモチーフといえば……。

虎!虎しかないでしょ。


そこで仮タイトルを、

(仮題)ウルトラマンT

にしようとし、自分で待ったをかけた。

ここに来て気付いたからだ。

ウルトラマンTはウルトラマンタロウのタイトル画面上ですでに使われている。

仕方ない、これは没。


しかし、虎というモチーフは捨てがたい。

そこでウルトラマンTという表記はやめて(仮)ウルトラマンタイガにしたらどうだろう。

ところがここでまた、自分でストップをかけた。

ウルトラマンタイガは如何にも円谷プロが使いそう。もしこれを使ってしまったら本家の使うべきリソースを削ってしまう。それは悪い。


そしてそれ以上に円谷プロが新しく撮ったものを見てみたい。それを邪魔したら新しいウルトラマンはみれなくなる。

と、謎の思想を経て、虎のモチーフはそのままでタイトルを変える事にした。


(今思えば、その時点で本家の撮影陣の殆んどは引退していたし、その当時は新たなるウルトラマンの撮影の気配もなかったので考えすぎだった気はする。)


タイトルを (仮題)ウルトラマンタイガ から変えるにせよ、どうすべきか……ってな時にたまたま見たものがあった。


TV放映のくまのプーさんだ。その頃はまだプーさんの吹き替え声優は初代の人だった。

映画だったと思う。その中でくまのプーさんの友だちの虎の名前が俺の心に突き刺さって離れなくなった。


ティガー。どうも虎をそう呼ぶ地域があるらしい。調べたらドイツ語みたいだ。


そこで新たなるウルトラマンのタイトルにしてみた。

しっくり来た。

それから書き始めるまでは早かった。

まず思い付いたのは初代ウルトラマンのバラージの青い石に出てくる光の巨人、そこからイメージが一気に広がった。


そこから毎日のように不定期連載を始めたのが、後に映像化され、平成ウルトラマンと呼ばれる事になるインターネット投稿小説『ウルトラマン ティガ』だ。

書かない日は他のインターネット投稿小説を書き、多い日は2、3話纏めて書いた。

そうして一年間放送ぶんの話数を想定し、書ききった。


懐かしい思い出だ。