Maniaの前回の感想でアクセントが良かったと最後に書いたけど、アクセントってややこしい…
日本語では『アクセント』って言ったら単語全体のピッチの変化(音程)のことだね。箸と橋、紙と神、みたいな。
でも英語でAccentっていったら『訛り』なんだよね。
日本語で言うところの『アクセント』は“Word stress”だね。
単語一つの中に強調する母音が必ず一つか二つある。
強調をどうやって作るかと言うと、
声圧の強弱『強弱アクセント』
母音の伸び縮み『長短アクセント』
ピッチ(音程)の上がり下がり『ピッチ(高低)アクセント』
の三つの要素があるね。
この三つの組み合わせのさじ加減は地域や人によっても違うから、難しいけど面白いところ。
アメリカだと強弱はほぼ確実にハッキリと表れるけど、
イギリスだと人によっては強弱の差が小さくてピッチの比重が高い人が結構いる。普通にいる。
イギリス英語が聴き取れない時はピッチに注意するといいんだよね。ハリーポッターとか。
逆にアメリカ英語はピッチで聴こうとするとアクセントと連動してないから耳が滑る。
強弱やピッチと比べたら、母音の長短は
『アクセント』という意味では軽いかもしれない。早口になるとほとんど無くなることもあるし、イギリスの方言ではそもそも出てこないこともある。普通にロンドンあたりでも。
でも、ゆっくり喋るときや歌う時には英語らしいリズムをつくる必要不可欠な要素だね。
今までの目黒くんの英語歌詞を歌ってるときの印象として、
発音は上手だから(まだブログで書ききれてないこともあるくらいだよ!帯気音の使い分けとか)、
アクセントが適切につくと途端にネイティブレベルに聴こえるんだ。
Black GoldやFirestorm(※2020年6月のチャリティ配信ライブで披露)は特に強弱のアクセントが良くついてて、発音の良さも相まってネイティブレベルだったよね。特にFirestormすごかったよ!忘れられないんだ…
Big Bang Sweetでの“mysterious”はeにいい感じにピッチと長短での強調があるね。
ちょうどそこで音程が上がって伸びるから狙ってやったかどうかはちょっと分からないけども。
ここでは強弱がかなり控えめなあたりがイギリス感ある。
イギリス英語ではアクセントのある母音は必ずピッチが高くなるんだ。
でも、アメリカ英語や歌ではアクセントのある母音でピッチが上がらないことがあるよね。
むしろアクセントのない母音でピッチが上がったり伸びたりする。
そういうとき、アクセントが埋もれないように強く、長く、その母音を強調する必要がある。
個人的な所感なんだけど、
アクセントの力関係って
「強弱 ≧ ピッチ + 長短」なんだろうね。
普段は強弱や長短の少ない喋り方をするイギリス人も、歌う時にはアメリカみたいに強弱や長短ハッキリつけて歌うことも多い。
そうしないとアクセントをつけられない歌だったりするから。
発音にはイギリスらしさがあったりするけどね。
逆にアクセント位置で必ずピッチが高くなる歌はイギリスらしさのある歌だなあって思うよ。
なんにせよ、アクセント次第で印象が変わるんだよね。
そしてやっとManiaライブでの話に入ると…
ブログ表題の「期待を超えてた」ってところはアクセントのバランス感覚!
たとえば目黒くん頻出語の“Check it out”ね。ここのアクセントのバランス良かった!
“Yum Yum Yum”で出てくるね。
日本語だとチェキラかチェケラって表されるやつ。
文章全体としてcheckに一番のアクセントがくるから、母音エ/ɛ/は長く強くなるね。
さすがにエ/ɛ/は単母音だから複母音アウ/aʊ/の長さを越えはしないけど、ここを伸ばすバランスも、強弱の対比も良かった!
語尾が上がるときは尚更アクセントでの強調大事!
check it outくらいだったらアクセントとか気にしないでも聴き取れるよね。
だけどアクセントしっかりしてると一層すごい!
なんせ目黒くん発音自体はめっちゃすごいから!
他の歌でも、アクセントのバランス感覚が上がってるなって思ったところがあるんだけど、長くなるのでここまで…
余談だけども、英語でも日本語でも、アクセントって演技力に繋がっているよね。
目黒くんの英語の進化聴いてたらお芝居の方も何か進化がある気がしてて、
今冬と来春に公開される映画にますます期待が高まったよ。
目黒くんって最高を更新し続けてる!歌もダンスもお芝居もモデルも。
最近、一年振りにVeet MenのCMを観て「何事も一ミリも妥協したくない」というセリフ、改めて説得力と深みが増しているように感じたんだ。
今年も見れて嬉しかったな。