グルメ漫画の金字塔『美味しんぼ』という漫画をご存知でしょうか?

 

 

 

『美味しんぼ』という名前を聞くと、若い人は「ラーメン三銃士」や「まずかったら死刑」など、ネット上でネタにされている画像ばかり思い浮かぶと思うんですけど、実際は80年代を代表する超人気グルメ漫画なんです。

 

主人公の「山岡士郎」とその父「海原雄山」のグルメ対決だけでなく、食を通した環境問題やいじめ問題など、様々な観点から「美味しいもの」を追求していく主人公の姿、複雑に絡み合う人間ドラマ、ラーメン三銃士…どれをとっても他のグルメ漫画には無い魅力を持っています。

 

僕も小学生の頃から家にある美味しんぼを読み漁っていたのですが、どうしてこんなに面白い漫画をみんな読まないのだろうと不思議でなりませんでした。かといってむやみに美味しんぼのうんちくを話すとみんな次第に距離を取っていくんですよね。つら。

 

 

まあでもいい加減いい歳なので、そろそろ美味しんぼの話をしても周りは引かないだろうと勝手に判断をし、今回は個人的に思い出に残っている『美味しんぼ』のベストエピソードを10作品紹介していこうと思います。※ちなみに家にあったのが1〜76巻までなのでその中から選びます。

 

それではどうぞ。

 

 

 

1.第7巻『大地の赤』 -第7話:黄身と白身-

 

 

ひょんなことから国際目玉焼き会議(International Fried Egg Conference)というイかれた会議に参加する話です。

 

 

 

設定はだいぶイかれてるけど、よく考えたら目玉焼きってすごい料理ですよね。

 

誰しも一度は食べたことがある料理であるからこそ、調理方法や調味料には人それぞれこだわりがある。

 

特別珍しい料理を紹介するわけではないからこそ、読者一人一人が当事者意識を持って読める話になっています。

 

 

当時はこんな会議がこの世にはあるんだなあ…くらいに思っていましたが、普通に考えてこんな会議あってたまるか。

 

なぜなら目玉焼きは黄身がちょい半熟のサニーサイドダウンに塩と胡椒をふりかけるのが至高だからです。最初から会議する必要なんてないのだ!!!

 

 

…あれ?会議しましょうか?

 

 

2.第8巻『飲茶』 -第5話:スープと麺-

 

僕、冷やし中華があまり好きじゃないんですよね。

 

汁は変に甘いし、具はきゅうりとかハムとか味気ないしで、特別「美味い!」と思えるような要素が無いんです。

 

で、美味しんぼでもその冷やし中華を取り上げていたんですけど、冷やし中華と聞いて海原雄山が一言…

 

 

 

やったぜ。海原雄山は分かってる。

 

やっぱり冷やし中華なんて人間の食うものじゃないんだ!よし、この話はこれで終わり!ちゃんちゃん♪

 

と小学生ながらグルメの巨匠と同じ味覚センスを持っていたことに、少なからず心が踊りました。

 

しかし当然グルメ漫画なのでマズいものをマズいままにしておくはずがなく、対抗意識を燃やした山岡さんが頑張って作った冷やし中華を海原雄山に食わせて…

 

これですよ。即堕ち2コマかっての。

 

大人は言うことをすぐ変える。この話で学んだのです。

 

 

3.第17巻『エイと鮫』 -第3話:代用ガム-

 

息子にガムすら買ってあげられない父親が、なんとか知恵を絞って代用のガムを作ってくれたことに胸を痛める…美味しんぼの中でもかなりハートフルな話です。

 

 

決して美味しいものではなくても、強く心に刻まれている料理ってありますよね。おふくろの味とか、子供の時よく食べた駄菓子とか。

 

今ではインスタ映えを目的とした食べ物も増えてきていますが、どうせなら写真ではなく味で心に保存できるような食べ物を僕は食べていきたいですね。

 

 

ちなみに代用ガムの作り方ですが、どうやらメリケン粉を水に流しながら揉み込めばガムのような食感のするグルテンだけが固まって手に残るというカラクリらしいですが本当でしょうか?

 

気になる方はぜひ試してみてください。

 

 

4.第31巻『鍋対決!!』 -第5話:究極VS至高 鍋対決!!-

 

今までは食のテーマだとか、昔の思い出がなんだとか絡めていましたが、この話はもっとシンプル。

 

とにかく美味そう。この一言に尽きます。

 

 

こんな…こんな食べ方されたらもう我慢できなくなっちゃうよ…。あひゃあ!って京極お前…そんな顔になるほどうめえのかよ。こりゃ今度の鍋対決は山岡さん陣営の勝ち確定だな…

 

 

は???は????さっきまでのあひゃあ!ってはしゃいでた人はどこ行ったの?怖いよ京極。眉毛下がりすぎだよ京極。

 

 

なんてよくネタにされていますが、要するに鍋ってだいたい美味いよねって話だと思うんです。

 

基本は材料とだし汁さえあれば、あとは好みのタレを加えて完成ですから。不味く作る方が難しい。

 

鍋対決の決着もただ美味しい鍋を振る舞うのではなく「相手をもてなす心」が焦点となっていたので、料理は振る舞うというのはただ美味しいものを作るだけでは足りないのだと考えさせる話でした。

 

 

5.第38巻『ラーメン戦争』 

 

お待たせしました。みんな大好きラーメン三銃士が登場するラーメン戦争の始まりです。

 

よくネタとして扱われがちですが内容はかなり本気。なんせ38巻まるまるラーメンの話ですからね。

 

「ラーメンが日本人の心を引き付けるのはなぜか」

 

「なぜラーメン屋でラーメンを食べている人はみんな暗い顔をして黙々と食べているのか」

 

これまでの話でもそうですが、食べ物はただ美味いだけではいけないのだと痛感させられる話です。

 

 

ちなみにラーメン三銃士、あまり役に立ちません。完全に出オチ要員。

 

 

あとラーメン三銃士よりライバル店の店主の方がずっとイかれているという事実。

 

 

 

6.第47巻『結婚披露宴』 

 

けっ…結婚してるーーー!!!!!

 

てめえ栗田さんを幸せにしないと許さねえぞ山岡あ…という話です。

 

今日ぐらいはグルメのことを忘れて幸せに浸れよ…と思うのですがそうは問屋が卸しません。バッチリ公私混同してます。

 

披露宴ではいろんな料理が振舞われるのですが、中でもひときわ美味しそうだったのが山岡陣営のとあるスープ…

 

 

仏跳牆という中国のスープらしいです。みんなの反応が『トリコ』みたいですね。

 

結婚披露宴は通常の2倍くらいのページ数なのであまり細かい内容を覚えていないのですが、このスープを食べるシーンだけは10年経っても忘れないし、多分これから一生忘れられない気がする。

 

死ぬまでに一回くらい食べてみたいですね。

 

 

7.第57巻『新聞戦争』 

 

表紙の写真を見てください。これなんだと思います?

 

これね、ミキプルーンの苗木…じゃなくて「チョコレートそうめん」なんです。

 

かなりインスタ映えしそうな見た目で味も上等。ただし麺がまとわりつかないようにその場で作らないといけないなど、制約こそあれどぜひ一度食べてみたい食べ物です。

 

 

また、新聞戦争の内容自体もこれまでいがみ合っていた新聞社同士が最終的に協力して黒幕を倒すという展開なので、ナルトとサスケが共闘している時と同じような無敵感が味わえます。

 

どちらかというと少年漫画よりな内容なので、グルメ漫画初心者の方にぜひ。

 

 

8.第58巻『いじめを許すな!』

 

グルメどこいった…?

 

突然教育漫画にシフトしてきましたが、ちゃんと食べ物に絡めているのでセーフ…だと思います。元々美味しんぼは社会問題に対して積極的ですが。

 

また畑違いではありながらも、かなり的を射た内容となっているのが驚き。

 

「いじめにあったら逃げてもいい」

 

などと今では当たり前のように言われていることを20年前から唱えており、正直今読んでも全く時代錯誤でない点が素直に感心できます。

 

これ読んでいじめられっ子はいじめっ子を、部下は上司をボコボコにする勇気をつけよう。

 

 

 

9.第59巻『対決再開!オーストラリア』第1話:-マルチメディアと食文化-

 

いじめを許すな!ですごく為になる話をしたと思ったらこの始末。ただのMac信者がWindowsを貶す回です。

 

 

 

なんやこいつ…。食文化云々よりも単純にMac信者の論理が破綻してるだろ…。

 

使いやすい使いにくいは個人の使い方次第だし、少なくともネット社会においては多数派のフォーマットを使った方が作業は100%スムーズになるんだけどな。ソフトとかはグループ間で統一した方が実際楽なわけだし。趣味で使うならMacでもいいかもしれんけど、仕事で使うなら確実にWindows一択だろ。あ、山岡さんは仕事してないか…。

 

って言いたくなる。まあ昔のPCだから今とは勝手が違うのかもしれんけど。

 

 

 

まあこれぐらいならいいですよ。Mac派とWin派がいたって何もおかしくはない。と思ってたのに…

 

 

は?

 

さっきまでぶちぎれてた人も実はMac信者?Mac信者がMac信者にWindowsはカスって煽って?ブチギレた??は????

 

正直、彼らの情緒が僕には読めない。流石に無理があるでしょそのオチは。どんだけ作者はMac好きなのよ…。

 

完全にネタ回ですが、作者が本気っぽいのでたまらなく好きな話です。肝心のグルメはおむすびとか水飲んで終わりでした。大丈夫、僕も意味が分かりませんから。

 

 

 

10.第61巻『よくぞ日本人に生まれけり』第6話:-よくぞ日本人に生まれけり-

 

 

食べた後に「日本人でよかった〜」って思えるようなおかずを追求する話です。

 

 

 

最近は白米を制限しているので、こういう脇目も振らず白米をどか食いすること自体が羨ましく感じてしまいます。

 

ちなみに僕のオススメはご飯にバターと醤油を垂らしたバターライス。

 

引くほどうまいのと引くほど太るのとで数年前に封印しましたが、今度久しぶりにやってみよっかな。

 

 

みなさんは「日本人に生まれてよかった」と思えるようなレシピはありますか?

 

 

 

終わりに

 

いかがだってしょうか。

 

昔の漫画なので若い人は敬遠しがちだと思いますが、個人的には若い人にこそ読んでほしい作品であると思います。

 

家族との食事の時もスマホを見ている子供をたまに見かけますが、できれば食事の本当の役割を子供には考えて欲しいのです。もちろん我々も。

 

忙しい毎日だからこそ、ご飯の時くらいスマホを見ないで食事に集中したいものですね。

 

 

 

それでは