ロングコートダディ単独ライブツアー『あらコズミック』を観てきた。

会場は、東別院ホール。こんなところにホールがあるとは知らなかった。

 

そもそもお笑い芸人の単独に行くのが初めてだったので、色々と新鮮だったが、ロコディはコントなので、基本演劇と変わらない。

唯一思ったのは、舞台装置に手をかけてないな、ということくらい。

 

ロコディは、M-1のネタ(なので漫才)しか観たことがなく、特段ファンというわけではないのだが、去年のM-1の敗者復活戦のネタは決勝に行ってもおかしくないくらいの面白さだったと思っている。

 

以下、順番に記憶をたどって書いていくが、タイトルは正確ではないので、ご容赦を。

 

※ネタバレ注意


①「UFOにロックオンされた男」
堂前がUFOにロックオンされて、吸い上げられそうになる。照明を上手く使ったコント。上手には力士の格好をした兎がおり、堂前はUFOの標的を力士になすりつけようとするが、重すぎてUFOは力士を吸い上げることができない。

短いオープニングコントだが、これが一番面白かったかもしれない。実はこのコントはラストのコントの後日談となっている。

②「情けない男」
彼女の前で情けない姿を見せると恥ずかしくなって彼女を振ってしまう男のコント。
堂前扮する彼女と革ジャン姿の兎。兎は、仕事も人生もなにもかも上手く行かないと言って彼女を振る。

一年後、再びカップルになった2人だが、兎の革ジャンの中に虫が入り、兎はみっともなく慌ててしまう。その姿に情けなくなり、兎は堂前を振る。
翌年、外は危ないということで家の中でデートするが、またもや醜態を晒し、兎は彼女を振る(兎の家なのに兎が出て行ってしまう)。でも、オナラを漏らしたことは平気なのが、笑える。
学習した彼女は兎が転んでも見なかったことにしたりして、なんとか凌ぐが、最後には堂前の方が背が高いことに情けなくなり、振ろうとする。だが、最後は逆に堂前に振られてしまう。

 

③「王様と騎士」

中世ヨーロッパ。王様(兎)のところへ騎士(堂前)が領内の反乱の状況を報告に来る。
冷静沈着な兎だが、「反乱を鎮圧しなければ、帝国軍に攻め込まれ、我が国はひとたまりもない」と言うときの、最後の「ひとたまりもない」のイントネーションだけ、関西弁でおかしい。

騎士は必死に王様のイントネーションを矯正しようとするが、全く直らないというワンアイデアもの。ロコディ版『英国王のスピーチ』(笑)

 

④「ティアラ」
風俗嬢の兎と黒服の堂前。ティアラ(兎)が太っていることをバレないように、ドアの隙間を通らせて、客からの指名を勝ち取ろうとするが、どうしてもデブだということがわかってしまい上手くいかない。

 

⑤「両手金属顔金属探知機」

両手金属顔金属探知機(?)に扮する堂前。後ろでは、病床の父親に泣きながら話しかける兎。舞台には、ペースメーカーの音が響いている。

下手から登場した堂前は、両手が金属で頭が金属探知機の格好をして、阿波踊りを踊っている。
手を上にあげると頭の金属探知機が反応して、それが心臓のペースメーカーの音になっている。

シュールすぎてよくわからなかったが、エンドロールでタイトルを見て理解(理解とは?)。短いコント。

 

⑥「ひらめき」
刑事の兎と金田一耕助風の堂前。
堂前は、兎から渡されたルービックキューブを揃えながら推理を披露する。それっぽいBGMが流れて、曲の終わりと同時にルービックキューブが完成するかと思いきや、全然完成しない。それを繰り返し、結局完成しないネタかと思ったら、最後は本当に全面揃えていてすごかった。だが、推理は「犯人は猿」と言って、違うわ!と言われる。

 

それに対して兎は、本物のカレーを食べながら推理をするが、堂前のルービックキューブに対して、こちらはカレーというのが不釣り合い甚だしい。

同じようにBGMが流れるが、食べながら推理を話すので、全然サマにならないし、やはり曲と同時には食べ終われない。なんだかんだ食べ終わるが(ルービックキューブとの難易度は雲泥の差なので当たり前と言えば当たり前)、結局、犯人は「自分だ」と言ってオチ。

 

⑦「ラストの長編コント」

宇宙人を探して宇宙を旅している船長の堂前と、堂前が作ったロボットの兎。表題作となる長編コント。
兎は短パンとランニング姿の小太りのロボットで、なぜこんな姿にしたのかと訴える。ランニングからは、乳首が時折はみ出ている。
堂前は子どもの頃に宇宙へ無線を飛ばして、それに宇宙人から返信があったことから、宇宙人の存在を信じており、こうして宇宙まで旅立った。宇宙人以外には全く興味がないと言う。


ひょんなことから堂前と兎は喧嘩になり、兎はひとりコックピットに残される。そこへ小惑星群が接近しているというサイレンが鳴る。高性能すぎて、AIなのに気まずいという感情がある兎は、堂前を呼ばずに1人で操縦しようとするが、上手く行かない。

戻ってきた堂前によって、難は逃れたものの、宇宙船は2024年に30年ほどタイムスリップしてしまう。

 

そこへ地球から何やら無線のメッセージが届く。「宇宙人はいますか?」という問いかけに、気を利かせた兎が「私は宇宙人です」と返答すると、堂前はショックを受けて、崩れ落ちる。それは子どもの頃の堂前が発信したメッセージだったのだ。

 

一気にやる気を失う堂前。宇宙人以外に興味はないと言っていたのに、いきなり地球に戻ったら、あれもしたいこれもしたいと言い始める。
 

明転すると、そこには陶芸にいそしむ堂前。そこへ力士姿の兎が登場。どうやら力士になって無双しているらしい。

兎は、さっきUFOに連れ去られそうになったと話す(ここで冒頭のコントが回収される)が、堂前は全く聞く耳を持たない。そのやりとりの中、幕が下りる。

 

最後にあいさつに出てくるかと思ったら、全く出てこないのが意外だった。

個人のファンも付いてそうなのに。
 

漫才からの推測で、もっと構築型のネタが多いかと思っていたら、意外とワンアイデアの力業のネタが多かったのが印象的だった。

個人的には、冒頭のコントで、堂前がUFOの動きに対して、ぼそぼそと突っ込むのが面白かったので、そういうネタがもっとあってもよかった。

 

また、ストーリーがリンクしているのも、冒頭とラストのコントだけなので、連作コントというよりは、オムニバスコントに近い。

 

堂前も兎も声がいい(=特徴的な)のが、強い。

 

ブリッジの音楽はすべて家主というアーティストの楽曲が使用されていた。

 

あと、最後まで全然気づかなかったが、ポスターの女性のイラスト。よく見ると顎が宇宙人になっていて怖い。

 

※幕間のビデオについては、別記事に書きます。