★★☆☆☆

 

先週『シン・ウルトラマン』を観てきた。特撮ものを一切通って来なかったので(理由は、朝早く起きられないから)、思い入れは全くないが、同様に初めて観たゴジラ映画(かつ庵野作品)の『シン・ゴジラ』で度肝を抜かれたので、まあ期待はせずに鑑賞。

 

感想は、コメディ(あるいはパロディ)として見るなら面白いという感じ。ゴジラはテーマ性が深いので、現代に移し替えても十分成立したが、ウルトラマンはちょっと新解釈がピンと来なかった。

 

具体的に『シン・ゴジラ』は水爆の恐怖を3.11の災害(原発事故)対策に移し替えて成功したが、『シン・ウルトラマン』はそれがイマイチぼやけている。ちなみに何度も言っているが、震災後文学(3.11がなければ誕生しなかった作品)の傑作は『シン・ゴジラ』と『君の名は。』の2作。

 

多くの作家が震災を意識して数々の作品を発表したが、そのほとんどは駄作。原発事故に関してのアンサーは『Fukushima 50』なんかより『シン・ゴジラ』の方が数億倍ちゃんと提示している。話を戻そう。

 

ウルトラマンのテーマはよく知らないのだが(勉強不足)、今作では異星人の支配と人類にヒーローは必要か否かといったところだろうか、政治的なセリフは多く散りばめられてはいたが、『シン・ゴジラ』ほど明確なテーマは描かれていない。

 

個人的には「現代の俳優陣でリメイクしました」以上のものは感じられなかった。逆説的にゴジラは物語として強いものがあるのだと再確認した。俳優陣では、巨大化した長澤まさみのエロさは言うに及ばず、早見あかりのふくよかな顔面のドアップの連発も地味にそそられた。

 

あと、樋口監督の演出はだいぶ『シン・ゴジラ』を踏襲しているように感じられた。しばらくは識者の考察記事を読み漁る日々が続きそうだ。