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竹内まりやのシアターライブ『souvenir the movie』を観てきた。

『恋のひとこと』収録時と『新春放談』の際の大滝師匠の写真が出てきて感動。

そして、山下達郎もコメントで登場。とてもミュージシャンとは思えない、理路整然として、学者然とした小難しいコメントにニヤついてしまった。

 

竹内まりやが40年間も活動を続けられた理由として、プロデューサーであり夫でもある山下達郎は、彼女の作家性の強い作風や人間存在への希望に満ちあふれた歌詞等を挙げていたが、あまりにオンリーワンの存在であるため正確な分析は難しいとのこと。ただし、彼女の存在はあることの証明になっていると彼は言う。

 

それは音楽とショービジネスは、イコールではないということ。彼女のようなアルバム中心で、ライブもやらず、しかも数年おきの活動というのは、決してショービジネスとしては、理想的な形ではない。しかし、こうして常に多くのファンに待ち望まれるのは、単純に彼女の音楽に力があるからだと言う。

 

私からすると、常にタイアップが付き、武道館を満員にするような竹内まりやがショービジネスとして成り立っていないとは、とても思えないのだが、それでもやはり彼女および山下達郎の活動は特異なのだろう。そして、それは彼/彼女たちの世代の音楽家特有のものなのかもしれない。

 

それ以前の音楽家、そして、それ以降の大衆的な音楽家たちは、芸能人としての側面が強い。しかし、ニューミュージックの担い手として登場してきた彼/彼女たちは、少なからずアーティストとしての志向が強く、そして、それを今も貫いている人が多い。

佐野元春やユーミン、そして、大滝詠一がそうであったように。

 

考えてみれば、より偏屈そうな()山下達郎がラジオ番組を持ち、コンスタントにライブをしているのに対し、竹内まりやがシングル、アルバムの発表のみで、ライブ活動をしていないというのは、確かにビジネスに背を向けているようにも見える。

ただし、彼女は曲提供が多いために、実際の活動よりも、精力的に見えてしまうところがあるのかもしれない。

 

一方、竹内まりやは、山下達郎のことをBest of best friend、大親友と評していた。

 

曲はどれも印象深いが、『プラスチック・ラブ』での山下達郎の主役を食うコーラス、そして、彼を含む5人でのアカペラで披露された『リンダ』、あとは『ウイスキーが、お好きでしょ』も良かった。それに達郎がフィンガーシンバルをくるくる回すところが可愛い『五線紙』。

 

あー、もう選べない。

パンフレットが売り切れだったのが、残念だった。

山下達郎のシアターライブも再上映してくれ~。