税務調査の種類

 「税務調査」と呼ばれるものには、次の2つがあります。

1)任意調査
 一般にいう「税務調査」とは、この任意調査を指します。事前(約1週間前)に連絡を入れ、同意を得てから行なうもので、調査官1~2名で、2~3日かけて調査を行ないます。

2)強制調査
 多額の税金を巧妙な手口で隠すといった不正が発覚した場合、国税局の査察部、いわゆるマルサに所属する調査官が、裁判所の令状のもと、調査を行ないます。
 

 
税務調査を行なうのは?

1)国税局(主に大規模法人が対象)
 課税部・調査部・査察部に分かれ、国税庁の指導、監督のもと、原則として資本金1億円以上の法人や外国法人、悪質な脱税の摘発、取締りを行ないます。

2)税務署(小さな会社から大きな会社まで)
・個人課税部門:譲渡を除く個人の申告所得税や消費税等の指導・調査を行ないます。
・法人課税部門:法人税・源泉所得税・法人の消費税等の指導・調査を行ないます。
・資産課税部門:個人の譲渡所得税・相続税・贈与税の指導・調査、財産評価を行ないます。
・管理徴収部門:納税の管理・納税証明書の発行・滞納の整理を行ないます。
 

 
まだまだある「税務調査」ウラ話

その1 調査当日は調査官も緊張している

 税務調査が入るとなると、悪いことをしていなくても緊張することでしょう。でも実は、調査官も緊張している のです。というのも、自分たちが「招かざる客」ということを肌で感じ、会社全体から見張られているような気がするからです。そのため、中小企業において接 待費を認めるか認めないかは調査官の考え方次第なのですが、相手企業の担当者に優しくされると、大目に見てしまうこともあるのです。

その2 出される昼食で分かる納税者の気持ち

 調査先で昼食を用意してくれることもあります。気持ちはありがたいのですが、調査官はランチタイムくらい敵地から離れてリラックスしたいと思っているのが本音です。

 ところで、納税者の気持ちが伺えると思うことがあります。追徴税額が増えていくごとに、初日は近所のお弁当だったのに、2日目は寿司、3日目はうな重というように豪華になっていくのです。

 ちなみに、昼食代は置いていく決まりになっており、ほとんどの調査官が実行しているはずです。どんな豪華な昼食を出してくれたからといって、調査の手を緩めることはありません。念のため。

その3 調査官が苦手な税理士とは?

 ズバリOB税理士、国税を退職して税理士になった人です。ついこの間まで一緒に仕事をしていたような先輩と真剣に渡り合えるはずはありません。しかもOB税理士にご馳走になったことがある調査官がほとんどで、OB税理士もそこに付け込んで便宜を図らせようとするのです。

 OB税理士は、調査官が「不正」を取りたいということを知っています。そこで、税務調査でははっきり不正とはいいがたい曖昧なものが多くある場合、OB税理士は、それを不正と認める代わりに、総額の追徴課税を安くさせるなど、取引を仕掛けてきたりします。

 また、OB税理士の中には、人脈を駆使して税務調査に圧力を加える人もいます。自分の後輩である国税の幹部 に調査をやめるよう働きかけるのです。ただ、露骨に「調査をやめろ」とはいえないので、「今、若い調査官が顧問先に来ているが態度が悪い。どういう教育を しているのだ」というように抗議の形を取ります。国税幹部の命令は絶対なものなので、調査官は、泣く泣く調査を縮小するか、打ち切らなければならなくなる のです。
 




脱税をせずに、節税で税金を払わない方法を知りたい人はこちらへ