中山可穂です。
卒業制作展の準備を進めるために図書館まで足を運んだものの、気がつけば、中山可穂の文学の世界にどっぷり逃避行しておりました。
『白い薔薇の淵まで』
雨が降る深夜の書店で出会ってしまった平凡なOLと新人女性作家…。あっという間に惹かれあって、刹那的で破滅的な道を突き進む女性同士の恋を描いた恋愛小説で、第14回山本周五郎賞受賞作品です。
普段見るドラマや映画は、断然、王道のハッピーエンドやサクセスストーリーが好きなのに、なぜか小説の分野のみ、それとは真逆をいく中山可穂の世界感が好きです。
何が好きかというと、中山可穂作品に登場する色気が滲み出た主人公とその彼女が好きです。いつも必ずと言っていいほど、どこか寂しげで孤独なのに、才能と色気が滲み出るとてつもなくモテる主人公と、それを美しくも優しく包み込む彼女が登場します。男とか女とか…そんなものは全く関係のない、性別を超越したふたりの、狂おしいほどの性愛が描かれて、そりゃもう…美しくて胸がときめく活字の嵐です。
本を手に取るなり、
ぐぁぁああーっと読破してしまいました。
素直に面白いです。
ずーっと活字が大嫌いで、文学なんて無縁の日々を歩んだ10代。20代に入って、自分のセクシャリティと親和性の高い中山可穂作品に出会いました。それからというものの、彼女の作品の虜になったし、何よりも、"小説"や"活字"の世界に興味を持つようになりました。
写真や映像・音楽無しに、"言葉だけ"でここまでも感銘を与え、心を震わせる言葉のチカラって凄いと思うのですよね。一応、夏目漱石や川端康成、芥川龍之介など、王道の文学にも触れてみたのですが、やっぱり帰りたくなるのは中山可穂の世界です。しかも、何度でも読み返したくなります。
誰かと共感したい…
出来ることなら、
日常生活においても、中山可穂の作品が大好きであることを声高らかに叫びたいのですよね。同性愛の作品である前に、ひとつの文学作品として最っ高のエンターテイメント作品だから。
だけど、
叫んぶことは、そう簡単なことではないのですよね。なぜならそれは、自分が同性愛者だとカミングアウトすることを意味しているような気がするから。
あぁぁぁあ
だけど
叫びたい(笑。
中山可穂作品って
なんて素晴らしいんだぁぁあー!!!
わたしに活字の楽しさを
教えてくれてありがとうーーー!!!
はい(笑。
ホントは、ブログを書く余裕もないくらいに追い込まれているのに、中山可穂の世界に浸ったおかげで"言葉"を綴りたくなった次第です。
最近は小学校で英語やプログラミングなどを教えるそうですが、個人的には国語が一番大事なのではと思います。子どもの頃、もっと真剣に国語や日本語に触れていれば、今、中山可穂作品の書評を思うままに書けただろうに。。。自分が心で感じたこと、思っていること、想像していることを言葉にするチカラって、凄く大切だし素晴らしいことだと思うのですよね。うまく書けない自分にもどかしさも感じますが、日常から離れたブログの世界だからこそ、こうして好きなことが書けます。
しかしながら、最近、ふつふつとある感情が湧き立つのですよね。
それは、実名の自分で、思いのままを書き綴りたいという願望です。
日常に偽りがあるわけではないのだけど、芸術大学で鍛えた"感性を発信する術"が、最近よく、実名でありのままの私を発信したいと、訴えてくるのですよね。大学卒業がひとつのターニングポイントになる気がする今日この頃。
やらなきゃいけないことはたくさんあるけれど、とりあえず寝ようと思います(笑。
今日のエンディングは、中山可穂著書の「愛の国」に登場する情熱的なタンゴミュージックで締めくくり。それでは、おやすみなさいませ。
タンゴ・ロクサーヌ