- 原爆詩集 (平和文庫)/峠 三吉
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にんげんをかえせ
ちちをかえせ ははをかえせ
としよりをかえせ
こどもをかえせ
わたしをかえせ わたしにつながる
にんげんをかえせ
にんげんの にんげんのよのあるかぎり
くずれぬへいわを
へいわをかえせ
これらのことばは予言のうただろうか?
これらのうたは前兆のことばだろうか?
これらのうたはにんげんがおもいもかけぬ苦しみの記録
またと心に刻まるべきでない悲しみの叫び
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二度と繰り返してはならない悲劇だからこそ、
その悲しさは、忘れてはならない、という逆説的な教訓。
裏を返せば、
ともすれば、同じような悲劇を繰り返しかねない人間の愚かさがある、
ということ。
またと心に刻まるべきでない悲しみの叫び
があることを、心に刻まねばならないとは、
人間の悲しさを、自覚し、自戒せねばなりません。
人間らしさを失わせる悲劇から、
人間らしくあらねばならないことを教わるのも、皮肉な話です。
それほど恐れられる「死」の恐怖。
原爆がなくとも訪れる、人間にとっての一大悲劇。
その「死」から学ぶべきことは、何があるのか、
常に自らに問うていきたいです。