思いやりのこころ/木村 耕一
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人間がせっせとやっていることを見ると、

徒然草―11


春の日の雪ダルマと、人間の寿命は、

どちらが長いのだろうか

まるで春の暖かい日に、雪ダルマを作り、

その雪ダルマのために金銀珠玉の装飾品を集めたり、

堂を建てようとしたりするのに似ている。


果たして、その堂ができあがってから、

雪ダルマを中へ安置することができるだろうか。


いや、すぐに解けてしまうから、できるはずがない。


人は誰でも「自分の寿命は、まだまだある」と思っているが、

実際には、雪ダルマが解けていくように日々刻々と縮まっているのだ。


それなのに、あれもしたい、これもしたいと、

非常に多くのことを計画し、成就する日を待ち望んでいるのは、

雪ダルマのために堂を建てようとしているのとまったく同じではないか。


その願いがかなう前に、自分の命が尽きてしまうのだ。


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 強烈な例えである。


人間の寿命が、春の日の雪ダルマくらいだとすると、

そんな短い期間に、何をするべきかが、最優先課題となってくる。


 長い一生だと思うと、つい時間を浪費してしまう。


 しかし、「短い」という大前提に立てばよほど厳選しなければならなくなる


 過ぎ行く人生で、一番になすべきことは何か。


 本当の「人生の目的」を考えることの重要性を説いたものである。



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せっかくなので、原文も。



第百六十六段

人間の、営み合へるわざを見るに、

春の日に雪仏(ユキボトケ)を作りて、

そのために金銀・珠玉の飾りを営み、

堂を建てんとするに似たり。

その構へを待ちて、よく安置してんや。

人の命ありと見るほども、

下より消ゆること雪の如くなるうちに、営み待つこと甚だ多し。


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利根川進博士が言っていた、「ジャッジメント能力」とおなじですね。



それの、人生論バージョン、みたいな。




まだ医学生、と思っていても、


卒業、研修、仕事を始めれば、あっという間に、


時は過ぎていきそうです。



自分にとって、一番大事なことは何か、を考えることこそ、


学生時代にやっておくべきことなのかもしれないと思います。









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