いのちの器―医と老いと死をめぐって (PHP文庫)/日野原 重明
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入試と人間形成 

 想像力と高い感性は受験では育たない



小学校の入学から大学の入学まで、

ひたすら受験時の点数を稼ぐのに都合のよい受験術が

予備校や塾で教え込まれている。


それが入試には事実、功を奏するので、

たいていの子供や若者が、学校よりも塾や予備校での学習を優先的に考える。


子供の時から一日の学校の授業を終えると、

すぐまた塾に行き、昼となく夜となく知識を詰め込まれる。


得点志向の教育に浸り通しでは

人間としてのよい資質が開発される機会が少ない。


諸科目の点数を総括的に上げる対受験戦略で、

若い者の個性的伸びは、全く無視されているといえよう。


私はよく外国に行くが、こんなことを聞く。

日本ではエリート中のエリートの若者の入るといわれる名門医学校の卒業生から、

百年近いノーベル医学・生理学賞設定の歴史の中で、

医師はだれ一人賞を勝ち取った者がないのが不思議だと。


大学とは創造力を培うところだといわれているのに、

いっこうその実があがらない理由はこうだと私は思う。


一つは日本の試験制度の欠陥であり、

一つは大学その他の研究機関の中で自由な研究がしにくいためである。


研究環境の条件がよくないのである。


小学校から始まり大学に続く受験のための猛勉強は、

人間がまっすぐ成長することを強く阻害しているのである。

一方、受験勉強のために受験の子供には

家庭内で両親や兄弟姉妹とのタッチが少なくなる。


そのような無理な生活が、子供や若者の心と体の両面をひどく浸食している。



(中略)



入学の選考に、時間をかけた面接と、課外活動の実績を高く評価し、

信頼のおける内申書を提出するということがなされていない限り、

今後入試はどうしようもない状態に陥るばかりである。

国民の健康を担う臨床医をつくることを主眼とした

医学校への入校の選抜の第一条件は、

感性の高い、人の痛みと苦しみを十分に共感できる人間を選ぶことである。


これには、生まれつきの資質も関与するが、

感性は主として家庭内や友人との交わりの中で形成され、

学校の中だけではそれは期待されにくい。


家庭教育のほうが学校教育より勝ること、

学校での授業よりも、家庭生活の中で学びとることの方が

よほど人間形成に役立つ。


それはすでに、明治11年に、福沢諭吉の『教育論』にはっきり書かれている。

『論語』にもこうある。


 性相近也、習相遠也

(天性はだれでも似通っている。

 教養や習慣の違いで差がつくのだ)



先人の残した知恵をもっと真摯に受け止めたいものである。


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環境というのは、慎重に選びたいですよね。



にしても、日本の医者からは確かにノーベル賞受賞者はいませんが、

外国から、そんな風に思われてたのかと思うと、なんか悔しいですな。



今後に期待。。。









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