- 文藝春秋 2010年 07月号 [雑誌]/著者不明
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一学究の救国論
日本国民に告ぐ
藤原正彦(お茶の水女子大学名誉教授)
とりわけ我が国は、真に誇るべき文明を育んだ国である。
それに絶大な誇りをもってよい。
一九世紀に書かれた『Character』の中でスマイルズは、
「国家とか国民は、自分たちが輝かしい民族に属するという感情に
より力強く支えられるものである」(藤原訳)
と言った。
祖国への誇りを持って初めて、
先祖の築いた偉大なる文明を継承することができ、
奥深い自信を持つことができ、堂々と生きることができる。
(中略)
日本人の築いた文明は、
実は日本人にもっとも適しているだけではない。
個よりも公、
金より徳、
競争より和、
主張するより察する、
惻隠や「もののあはれ」などを美しいと感ずる我が文明は、
「貧しくともみな幸せそう」という、
古今未曾有の社会をつくった文明である。
戦後になってさえ、「国民総中流」という
どの国にも達成できなかった夢のような社会を実現させた文明である。
今日に至るも、キリスト教、儒教、その他いかなる宗教の行き渡った国より、
この美的感覚を原理としてやってきた日本で、
治安はもっともよく、
人々の心はもっとも穏やかで倫理道徳も高いのである。
この美的感覚は普遍的価値として
今後必ずや論理、合理、理性を補完し、
混迷の世界を救うものになろう。
日本人は誇りと自信をもって、
これを取り戻すことだ。
これさえあれば我が国の直面するほとんどの困難が自然にほぐれて行く。
さらに願わくばこの普遍的価値の可能性を
繰り返し世界に発信し訴えていくことだ。
スマイルズは前述の諸で次のように言った。
「歴史を振り返ると、
国家が苦境に立たされた時代こそもっとも実り多い時代だ。
それを乗り越えて初めて
国家はさらなる高みに到達するからである」(藤原訳)
現代の日本はまさにその苦境に立たされた時代だ。
日本人の覚醒と奮起に期待したい。
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日本代表も絶好調ですし、
いまこそ、日本のいいところを振り返り、
日本人としての誇りと自信を取り戻すのに、ちょうどいい時なのかもしれません!
世界に誇れる文化、国民性であることを自覚して、
サムライ魂を如何なく発揮してほしいです!