5月25日付 編集手帳 (読売新聞)

 調理法が徹底されたいまは高級な冬の味覚としておなじみの河豚(ふぐ)も、

明治の昔はまだ怖い食材であったらしい。

(うそ)をその味にたとえたのは夏目漱石である


◆『虞美人草(ぐびじんそう)』に書いている。


〈嘘は河豚汁である。

その場限りで(たたり)がなければこれほど(うま)いものはない。

しかし中毒(あたつ)たが最後苦しい血も吐かねばならぬ〉


◆「最低でも県外」は反古(ほご)になり、

「自然への冒涜(ぼうとく)」として()り捨てた埋め立て工法は息を吹き返し、

「地元、米国、連立与党すべてが納得する形での5月末までの決着」は影も形もない。


普天間移設をめぐって鳩山首相が語った言葉の数々である


◆その祟りに血を吐いたのは首相自身ではなく、

政策の調理法も満足に知らぬシェフから

嘘のご馳走(ちそう)を振る舞われた沖縄の人々だろう。

米軍の抑止力を保てる移設先として「辺野古」に行き着くにしても、

その場しのぎの嘘がなければ、

もっと残酷でない道筋がたどれたはずである



◆相手の心情に寄り添いたくて、

たとえ一瞬でも憂いを癒やしたくて、喜ばせたくて、

つい嘘をついてしまう。


心の優しい人と評されたことだろう。

何の間違いか、首相でなければ。



2010年5月25日01時32分 読売新聞)



・・・・(-_-;)

強烈。


けど、最後の段落は、医療においても警告に聞こえなくもないです。



患者の心情に寄り添いたくて

たとえ一瞬でも憂いを癒やしたくて、喜ばせたくて、

つい嘘をついてしまう。


心の優しい人と評されたことだろう。

何の間違いか、医者でなければ。





責任ある立場にあれば、

たとえ「相手の心情に寄りそいたくて」という理由であろうとも、

それが本当に相手のためになるのか、

誤魔化し、その場の言い逃れではないのか、

よく知る必要があります。



「 なぜ命は大切なのか? 」


「 死ねば、苦しみから解放されるのか? 」


医師を目指す以上、責任ある言動がとれるように、

しっかり勉強して、力をつけたいです。








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