- ブラックジャックによろしく (6) (モーニングKC)/佐藤 秀峰
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(末期の膵臓がんと告知を受けた患者さんと、医師の会話で)
「あれから毎日 両親から電話がくるんです・・・
毎日 電話の向こうで泣くんです・・・
私はここにいるのに・・・
会いに来てくれれば会えるのに・・・
私・・・
まだ生きてるのに・・・
どうして目をそらすんですか・・・?
先生・・・
お願い・・・
私を見て・・・」
「“強い”か・・・
私って本当に強いのかな・・・
人間ってそんなに強いのかなあ・・・
みんな見て・・・
私を見て・・・
勝手に私を殺さないで・・・
私を幽霊を見るような目で見ないで・・・
私は・・・
生きてるよ・・・」
(引用、以上)
患者さんを孤独に追いやっているのは、
「生きるとは何か」
「死ぬと何か」
を問うことをしない人、
そういう周りの人なのかもしれません。
(たとえ無自覚であっても)
そして、本人が必死になっていることに気づかず、
勝手に周りがあきらめてしまい、
自分の悲しみで一杯になってしまって、
死と向き合おうとしている人を
支えることができない。
知らず知らずのうちに、
一番苦しんでいる人を孤立させてしまう。
「知らない」 ということは、時に、
そのつもりはなくとも、人を苦しめることになる。
そんな風にすら思えます。
そして、一番強烈なのが、このシーン。
医師
「治療法の決定権は
患者であるあなたにあります
ですが児玉さん・・・
私は延命に意味がないとは思いません
ジェムザールは
その効果があった場合・・・
平均で約10カ月の生存期間があります
一年後も生きていられる可能性は40%ほどです
ですが 従来の経口剤を使うなら
1年後の生存率は4%以下です」
「退院します
部屋を借りました・・・
小さなアパートだけど・・・
実家を出て
そこでがんばろうと思います」
医師
「どうしてですか・・・?
どうして今
治療自体をやめようと思うんですか・・・?
死に場所を探しているなら間違いです・・・
一人でこっそり死んでいこうとするなら間違いです・・・!!」
「生きるって
何ですか・・・!?
答えてください・・・
そんな事に答えられない人が・・・
どうして医者なんてしてるんですか・・・?」
(引用、以上)
これまでも、同じようなことが書かれている本は読んできましたが、
ナマの人間の言葉、セリフとなっていると、
また一層、迫ってくるものがあります。
「分かりません」としか言いようのない問い。
しかし、「分かりません」とも言えない。
生きるって、一体なんなんでしょうか。
医療従事者として、とても大切なことだと思います。
最後に、別の患者さんの言葉を。
「私はもうすぐ
この世からいなくなります・・・
死は誰にでも訪れます・・・
だったら私達に選べるのは死に方だけですから・・・
私はイヤです・・・
効くかどうか分からない薬に苦しんで死んでいくのは・・・
前はやってたんですよ
宇佐美先生に出会う前は抗がん剤も・・・
だけど決めたんです・・・
私はがんと共に生きていくの・・・
宇佐美先生が言ってた・・・
治らない病気はがんだけじゃないんですって・・・
高血圧だって・・・
糖尿病だって・・・
内科の病気のほとんどが不治の病なんだって・・・
病気とうまくつきあってくしかないの
抗がん剤になぜ副作用があるか知ってます?
抗がん剤って
がん細胞だけじゃなく 正常な細胞まで攻撃してしまうんです
だから副作用があるんです・・・
わたしのがんは抗がん剤を使っても
何カ月しか延命できません
副作用で体中ボロボロになって・・・
数か月長生きして
何の意味がありますか・・・?」
医師
「怖く・・・
ないですか・・・?」
「どうして・・・
そんなことを訊くんですか・・・?」