■ 人はいつか死ぬものだから  ■

~ これからの終末期ケアをかんがえる ~
 Final Exam : A Surgeon's Reflections on Mortality



(つづき)



 医師であろうとなかろうと、

死を免れ得ない自己と対峙することは、

人間にとってとりわけ厳しい試練となる。


「誰もが無意識においては、自分が死ぬことを信じていない」


とフロイトは述べる。


日々の仕事に邁進しながら、

自分の命を限りあるものとして語るのは、たいへん難しい。


それでも、私たちの患者(と愛する人たち)に良き死をもたらす為には、

命の有限性について語り合うしかない。


たとえ、それぞれが心の中では分かっていたとしても、

それを口に出して語り合わなければ意味はない。



フロイトは次のように続ける。


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 ここでわたしは古い格言を思い出す。


「平和を保とうとすれば、戦に備えよ」

 しかしここでのこの格言を修正するのは時宜に適ったことだろう。


「生に耐えようとすれば、死に備えよ」と。



  フロイト『人はなぜ戦争をするのか』


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 死に備えることが、

人生においてとりわけ過酷な試練であったとしても、

それをかいくぐってこそ、

私たちは存分に人生をまっとうできるのではないだろうか。



(以上)




「Memento Mori」(死を想え)


に通ずるところがあります。


本当の意味で、「生きる」とはどういうことなのか、

今の自分は、そうできているのだろうか。


自問自答するところから始めたいと思います。