本書は、著者が行なっている記事や書籍を書くための仕組みについて、説明されている書籍です。本書が、魅力的なのは著者の仕組みを真似すれば、記事や書籍を書くことができる、というところです。内容は、テーマをいかにして探し出すか、外から入ってくる情報や頭の中で生まれるアイディアをうまく保存し、整理し、関連付けて新しい体系をどのようにつくり上げるか、どのように記事や書籍に仕上げていくのか、ということが、わかりやすく説明されています。


文章を書く場合、何よりもテーマが重要です。本書においても、「適切なテーマが見つかり、問題を設定できれば、仕事は8割できた」ようなものだと強調されています。


テーマが決まっていない場合、重要なのは、「伝えたいメッセージを見いだすこと」です。基本的には「考え抜く」、「つねにテーマ探しを意識し、さまざまな情報を捉え、考えに考え抜く」しかないと述べています。注意すべきは、「多くの人が書けるようなものを書いても、大量の供給の中に埋もれてしまう」ため、「あなた以外の人には書けないものを書くこと」が重要だと言います。また、需要が大きいものに対応する事は必要だが、自分がどのような供給ができるかを考えることも大切です。事実に関する二次情報や三次情報を広げたところで、価値は少なく、その事実の意味や背景、解釈、あるいは将来における予想など述べるのであれば、価値があるとも書かれています。


テーマをどう見つけるか?

1、異質な考えに接する機会を作る

一つ目は、本を読むこと。そこに述べられている考えに対して質問をする。そこで述べられている考えに反論する。二つ目は、講義やテーマに関する集まりで発表をすること。そこでの質問から、新しいアイディアを見つけだす。

2、仕事を続ける

これを著者は「クリエイティング・バイ・ドゥーイング」と呼びます。必要なのは、「とにかく始めること」。つまり、「まず何かを書く」ということ。たとえば、思いついた何かの考えや新聞記事に対する意見や感想、本を読んで手がかりになったことなど。


そのための、重要な手段が「音声入力」です。思いついたことをスマートフォンの音声入力を利用して、Googleドキュメントにメモする、という方法を著者は、すすめています。音声入力のメリットは、いつでも、どこでも、すぐに実行できることです。そして、アイディアを成長させるためには、文章がデジタル情報の形で、クラウドに保存されていることが必要だと言います。


私も、iPhoneの音声入力を利用して、仕事のメールやFacebookへの投稿を入力しています。誤変換の確認や校正は必要ですが、タップによる入力(フリック入力はできません)よりは断然速く、ストレスが軽減されています。