目の最大のトラブルは、血流障害です。酸素欠乏症の解消が、回復のカギとなります。
酸素欠乏がどういった視力障害につながるのか?
「酸欠」になると、毛様体の筋力と水晶体の弾力が失われることから、近視や老眼が加速します。水晶体の新陳代謝が衰えて、濁りが生じると白内障になり、眼球内の老廃物がきちんと排泄できなくなると、飛蚊症を招きます。そして酸素欠乏のために房水という目の組織を満たす体液の排泄が滞ると、眼圧が上昇し緑内障の原因になります。さらに視神経が栄養不足に陥ることも加わって、視野が損なわれると考えられるとのことです。
「酸欠」の原因は?
私たちが酸素を直接取り入れる方法、呼吸にあります。十分に酸素が取り込めない、大きな原因は2つ。1つ目は、胃腸の硬化です。胃腸が硬化していると、お腹のなかに息を充分に吸い込めず、呼吸が浅くなってしまいます。胃腸が硬くなっているということは、消化活動や蠕動運動もスムーズに行われていないということです。次に多いのが、姿勢の悪さです。事務仕事をしている方は、ほぼ酸欠だと思って間違いありません。パソコンに向き合っていると、どうしても前かがみになります。うつむいたままだと気道がせまくなり、息を吸っているつもりでも、細くしか入っていません。そんな姿勢で8時間もいれば、1日の大半をちゃんと呼吸しないで過ごしていることになります。加えて、座りっぱなしでいるということは、自分の体重でおしりや太ももを圧迫して、止血しているのと同じです。血流がどんどん悪くなり、血液がドロドロになる。その結果、目への栄養の供給が滞ってしまいます。
目の栄養源は「酸素」です。そして、酸素を運んでくれるのは血液です。1日に、まばたきを2万回近く行い、眼筋は10万回以上も動きます。人間の体は、筋肉運動をすると、乳酸がたまります。大量の乳酸の代謝除去を乳酸の蓄積が上回ると、視力に影響が出ると言われています。乳酸は酸素によって分解され、血液で運び出されるので、酸素不足になると、疲れが取れなくなり、機能が衰えます。これだけの活動をこなすためには、血液を十分に巡らせ、目に常に酸素を送り込む必要があります。ところが、酸素の最大摂取量は、心肺の老化に伴って減少します。30歳時の酸素の摂取量を100%とすると、80歳になると30%にまで落ち込むと言われているそうです。
酸素が足りなくなると、徐々に近視やドライアイ、老眼、白内障、緑内障などの視力障害の症状が現れるようになります。
目の大きな人ほど視力が悪くなりやすい
近視の人の目を観察すると、瞳が大きく、交感神経が優位にある体調の人がほとんどです。こうして瞳が開いた状態が続くと、焦点の深さが浅くなり、ピント合わせに余分な力がかかります。すると、調節を行う毛様体筋が疲弊し、視力の低下を招きます。交感神経を最も過度に緊張させる要因は、ストレスです。ストレスも目が悪くなる大きな原因の1つです。ストレスから、自律神経のバランスが乱れることもあります。自律神経のバランスが乱れると、血流障害が引き起こされ、目を悪くする一番の原因である、酸素不足に繋がると書かれています。
本書では、「今野式7つの視力回復トレーニング」として、酸素を積極的に取り入れる方法が紹介されています。簡単な方法ですので、私も毎日、入浴時に実践したいと思います。